100D11

32歳の男性。腹痛を主訴に来院した。2か月前から時々腹痛を起こしていた。1週前から朝、腹痛で目覚めることが多くなり、1日に数回の腹痛と便意とを生じるようになった。排便すると腹痛は軽快する。便通は1日に3、4行、泥状である。便に血液の付着はない。2週前、同僚と暴飲暴食をしたことがあった。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧132/80mmHg。腹部の聴診で腸雑音が亢進し、下腹部に圧痛を認める。筋性防御を認めない。血液所見:赤血球420万、Hb 14.2g/dL、白血球5,600。
最も考えられるのはどれか。
十二指腸潰瘍
胆嚢炎
慢性膵炎
過敏性腸症候群
食中毒

解答: d

100D11の解説

2か月前から症状を有しており、排便で腹痛は軽快することから過敏性腸症候群が考えられる。
a 空腹時に腹痛を認めることや、吐血や黒色便といった潰瘍出血の所見を呈するはずである。
b 右上腹部痛があり、感染徴候を認めるはずである。
c 反復性の上腹部~背部痛、脂肪便を認めるはずである。
d 正しい。暴飲暴食経過もあり、ストレスが症状を増悪している可能性がある。
e 食中毒としては慢性経過であり、また嘔吐はみられておらず否定的である。

正答率:93%

テーマ:過敏性腸症候群〈IBS〉の診断

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