100A50

10歳の男児。けいれんを主訴に来院した。乳幼児期に発熱時けいれんが10回以上あった。最近しばしば上下肢の攣縮がみられる。朝方、数分間に及ぶ全身けいれんをきたした。う歯が多数みられる。血清生化学所見:Na 146mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 6.0mg/dL、P 8.1mg/dL、TSH 0.3μU/mL(基準0.2~4.0)、FT4 2.0ng/dL(基準0.8~2.2)、PTH 6.0pg/mL(基準10~60)。頭部単純CTを別に示す。
治療に用いるのはどれか。
抗甲状腺薬
カルニチン
抗けいれん薬
活性型ビタミンD
抗アルドステロン薬

解答: d

100A50の解説

10歳男児のけいれん。「う歯が多数みられる」という情報からはSjögren症候群やBasedow病も考慮されるが、Ca低下・ P上昇・PTH低下、より副甲状腺機能低下症と考える。頭部単純CTで石灰化をみていることも矛盾しない。
a Basedow病を考えた場合に使用する。
b カルニチンはアミノ酸から生成されるビタミン様物質。
c 現時点で継続しているけいれんがあった場合に使用する。
d 正しい。けいれんはテタニーと考えられ、この主訴を改善するためにはCaを補正する必要がある。それには活性型ビタミンD投与が有効だ。Pがさらに上昇してしまう可能性もあるが、特に致死的変化ではない。少なくとも選択肢内で本病態の治療薬として用いられるのはこれしかない。
e アルドステロン症に使用する。

正答率:84%

テーマ:特発性副甲状腺機能低下症の治療

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