100A49

20歳の女性。昼ころから両下肢に力が入らなくなり来院した。1年前と3か月前とに右眼の視力低下を生じたが、数日で回復した。意識は清明。対麻痺、感覚障害および膀胱障害を認める。脳脊髄液所見:細胞数3/μL(基準0~2)、蛋白30mg/dL(基準15~45)、IgG 10.5mg/dL(基準0.8~4.1)。血清生化学所見:CK 30U/L(基準10~40)、Na 140mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 108mEq/L。免疫学所見:HTLV-I抗体(-)。
最も考えられるのはどれか。
多発性筋炎
脊髄血管障害
多発性硬化症
周期性四肢麻痺
Guillain-Barré症候群

解答: c

100A49の解説

若年女性の脱力。1年前と3か月前、のような時間的多発がみられている。また、視力低下、対麻痺、感覚障害、膀胱障害といった空間的多発もある。多発性硬化症〈MS〉が最も考えやすい。
a 多発筋炎であればCKが上昇する。
b 脊髄血管障害であれば視力低下はない。
c 正しい。上記の通り。
d 周期性四肢麻痺であれば血中カリウムがもっと低下する。また、感覚障害や膀胱障害はみない。
e Guillain-Barré症候群では脳脊髄液内の蛋白細胞解離をみる。

正答率:83%

テーマ:多発性硬化症〈MS〉の診断

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし