Wallenberg症候群について質問させていただきます。
Wallenberg症候群では"患側の顔面の温痛覚障害が生じる"ということですが、顔面の温痛覚を伝える線維は、同側を下行した後に交叉して対側を再度上行するのであれば、患側の障害部位を通ることになるため、健側の顔面の温痛覚も障害されるように思います。
なぜ患側のみなのでしょうか?
ご教授のほどよろしくお願いします。
こんにちは.コメント失礼いたします.
まず,Wallenberg症候群では顔面の温痛覚を司る三叉神経脊髄路核(患側)が障害されます.
†延髄外側症候群 Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/延髄外側症候群#/media/ファイル:Wallenberg_syndrome-ja.svg
さて,顔面の温痛覚は三叉神経脊髄路で伝達されますが,三叉神経脊髄路核まで至ると延髄から一旦下行し脊髄C2まで伸び,そのレベル(C2)で交叉した後に上行するそうです.
上記より,三叉神経脊髄路核は交叉し対側へ入る前の経路ですので,Wallenberg症候群では同側の温痛覚障害を呈することとなります.
以上,わかりにくいところもあるかと思いますが,お役に立ちますと幸いです.
追記するとすれば質問者様は顔面両方ともやられるのではないか、と考えておられるようなので、おそらく健側の三叉神経が下降し、交差し、上行←ここで途中障害されるのではないか、という疑問の可能性もあります。
これは三叉神経脊髄路において、下降し交差して上行する神経は普通の脊髄視床路(温痛覚)より内側を走行するという事実によるものです。三叉神経の第2経路と呼ばれるようですが、この具合でワレンベルグの障害の出方にもバリエーションがあるようです。
国家試験的にはいらない、、、のかもしれませんが面白い疑問でしたので調べてみました。
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