107D6

延髄組織の髄鞘染色(Klüver-Barrera染色)標本を別に示す。
この病変による症状として考えられるのはどれか。
片麻痺
瞳孔散大
嚥下障害
深部感覚障害
起立性低血圧

解答: c

107D6の解説

画像では延髄左外側部分が染色されていない。Wallenberg症候群を考える。
a 錐体路は延髄腹側にあるため、障害されていない。ゆえに片麻痺はみられない。
b Wallenberg症候群によって交感神経が障害された場合、Horner症候群をみる。その場合、瞳孔が縮小する。
c 正しい。第IX, X脳神経核が病変部位に含まれるため、これらが障害され嚥下障害をみる。
d 深部覚を担う内側毛帯は障害されていない。
e Wallenberg症候群によって交感神経が障害された場合、起立性低血圧も理論上は出現しうる。ただし、血圧調節機構は中枢のみならず末梢も存在すること、左右両方で調節されること、などから臨床的にWallenberg症候群単独で起立性低血圧が出現することはまれである。正答をcにゆずる。

正答率:69%

テーマ:Wallenberg症候群〈延髄外側症候群〉の症状

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