解決済 111B35 25.総論的事項

心不全における低ナトリウムの解説について

Eの解説において浮腫があり血管外へナトリウムが移動するため低ナトリウムとなる、とありますが、心不全での浮腫は静水圧上昇による間質への水の移動であるため、ナトリウム濃度を低下させることにはならないのではないでしょうか。

回答5件

  • 水はNaとセットで動きますので、水が間質へ押し出されたら、Naも間質へ押し出されていると考えて問題ないかと思います。

  • ご回答ありがとうございます。重ね重ね申し訳ないのですが、水がナトリウムを伴って押し出されているので血中の、ナトリウム量は減っても濃度は変わらないのではないでしょうか。(押し出された液の水とナトリウムの割合は、血液中の割合と同じなのではないでしょうか)

  • (話が複雑になるので講義では回避したのですが)ADHで議論しましょうか。

    浮腫→有効循環血液量低下→水分を喪失したくないと考える→抗利尿したいと考える→ADH↑→SIADHと同じ議論→血中Na↓

    ↑で一応、血中Na低下は示せます。
    が、SIADHでは尿中Naが低下しませんので、尿中NaについてはRASで議論していくことになります。
    が、RAS亢進では血中Naが上昇しますので、本問の血中Na低下が示せません。

    複雑な機序が各々バランスを保ちつつ作用する病態ですので、一元的に議論することはできないのですね。
    各々のフェーズで、必要な病態の流れを採用することになります。

    突き詰めていくと、問題を解くための病態ツール利用になってしまうわけで、結局暗記すべき事項が増えてしまうだけに感じます。ゆえに私は今回の問題でADHの話を加味するのは個人的に好きではないです。

  • ご質問の直接の回答ではありませんが、、
    アルドステロンのことばかり考えていると、続発性アルドステロンでは尿中Naが低下するという誤解を生じそうになりますが、常にそうとは限らない点に注意が必要です。

    肝硬変で続発性アルドステロンになるのは、血中からアルブミンが減ることで「間質」にナトリウムと水がいってしまうことが本態である。その動きは血中と間質のやりとりであり、尿は関与していない。
    それにより血中にNaが減ったことを補うため、アルドステロンが働いて、尿中Naが減少する。

    ネフローゼ症候群でも、疾患によりどの蛋白が漏れるかは選択性が違うため異なるが、小分子であるアルブミンはネフローゼである限りはどの場合も漏れるため、低アルブミン血症になって、間質にNaと水がたまり…肝硬変と同様になる。

    心不全でも、浮腫になり、循環血液量が減少するため同様である。

    しかし、尿細管障害、フロセミド、サイアザイド投与は異なる。

    病態の本質は、尿細管によるNaや水の再吸収が障害されることであり、尿中のNaが増加している。これを是正するため、続発性アルドステロンになる。

    (アルドステロンが働くのは遠位尿細管ですから、そもそも遠位尿細管がやられればアルドステロン自体が働けない気も個人的にはしますが…)

    続発性アルドステロンによってNaの再吸収が生じたとしても、尿中Naが増えているのがもともとの本態なのですから、フィードバックが上回ることはなく、尿中Naは増加している。

    同じ続発性アルドステロンでも、本態が何かで異なると整理しておくといいと個人的には思います。

  • お二方ともありがとうございます、とても勉強になり、解決しました。

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