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WPW症候群にβ遮断薬は禁忌ではない?

循環器3.7 WPW症候群 の項で、ジギタリス、Ca拮抗薬、β遮断薬が禁忌とありました。
その理由として正常な房室結節の伝導だけを抑制するためとの説明でしたが、βブロッカーは房室結節・Kent束の両方を抑制するため禁忌ではないと大学の講師から説明を受けました。実際にガイドライン(https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2009_kodama_d.pdf)の12ページでもWPWに伴うAFLにβ遮断薬を投与(ジギタリス・Ca拮抗薬は禁忌)とあります。どちらが正しいのでしょうか?

回答3件

  • RSaitoさん
    過去のフォーラムで、わかりやすい解説がついてる似たようなのがあります。
    https://medu4.com/topics/c632270652

    • どっこいしょさん
      僕もそのフォーラム読ませていただきました。
      ジギタリスとCa拮抗薬は仮に投与すると確実に致死的な不整脈に移行するそうですが、βブロッカーは【ケント束の伝導も抑制する】ため、そのような作用はないとのことです。確かに第一選択として使う薬ではないのはわかりますが、【禁忌】
      ではないように思います。↑のガイドラインも見てみてくださいな

    • RSaitoさん
      110C6にならって、新版のガイドラインを参照してみました。
      https://www.j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2020_Ono.pdf
      p31をみるとPSVT+WPWにはβ遮断はいまいちな感じです(この時点で上記のフォーラムが覆されてるんですが……)
      「ベラパミル,ジルチアゼム,β遮断薬は,頻拍発作の頻度と持続時間を減少させ,また安全性の高さから再発予防の第 1 選択薬となる 111–114) .ただし顕性ウォルフ ・ パーキンソン ・ ホワイト(WPW)症候群(間欠性 WPW 症候群 を含む)では,上室頻拍時に心房細動への移行が生じると副伝導路の伝導が促進されて心室細動発生リスクが高まる恐れがあり,勧められない.」

      しかしp82の心房粗動の項目を見ると、たしかにWPWでもβ遮断薬禁忌になってなさそうですね
      「β遮断薬(ランジオロールならびに 非ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬も,心房粗動の心拍数調 節療法として有効性が示されている 502, 676, 678).ただし,中等度以上の心不全例,永久的ペースメーカ移植術を受けていない洞機能不全症候群や房室ブロック,心室内伝導障害 例やウォルフ ・ パーキンソン ・ ホワイト(WPW)症候群を代表とする早期興奮症候群には非ジヒドロピリジン系 Ca 拮抗薬の使用を控える.」

      たしかに、条件を選べばβ遮断薬も禁忌ではないようです。
      正直、マクロリエントリーで同じような病態なのにPSVTで適応がなかったりAFLで適応だったり悩ましい(専門医レベルっぽい)気もします。国試的には、消去法でβ遮断薬とCa阻害薬が残って択になったらβ優先(そこまで攻めたのは出ないと思うけど)、臨床的には、少なくともCa拮抗薬は絶対禁忌なので、「ワソラン(ベラパミル)使う前にはWPWの有無を確認!」くらいの落としどころになるんでしょうかね??? 

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  • 問題参照 113F30

    頻脈発作時の心電図(A)と電気ショックにより洞調律に復帰した後の心電図(B)を別に示す。

    治療として適切なのはどれか。

    • a ベラパミル経口投与
    • b ジギタリス経口投与
    • c 植込み型除細動器の植込み
    • d カテーテルアブレーション
    • e 両室ペーシングによる心臓再同期療法
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