113F30

頻脈発作時の心電図(A)と電気ショックにより洞調律に復帰した後の心電図(B)を別に示す。

治療として適切なのはどれか。

ベラパミル経口投与
ジギタリス経口投与
植込み型除細動器の植込み
カテーテルアブレーション
両室ペーシングによる心臓再同期療法

解答: d

113F30の解説

洞調律の心電図ではデルタ波〈δ波〉を認め、発作時の心電図は幅広いQRS波が見られ頻脈を呈している。WPW症候群と偽性心室頻拍である。WPW症候群は副伝導路を有する疾患で、副伝導路を介して上室性の頻脈を起こす疾患である。これに心房細動を合併するとその見え方から偽性心室頻拍と呼ばれる。上室性の不整脈ではあるが、血行動態が崩れることが多いためすぐに薬物治療やカルディオバージョンを行い洞調律に戻す必要がある。
a カルシウム拮抗薬は房室伝導を抑制するため正常な伝導路をブロックし余計に悪化させる。
b 正常な伝導路をブロックするだけでなく、副伝導路の不応期を短縮させることで心室細動に移行しやすくするため禁忌である。
c まずは薬物治療やアブレーションを行う。
d 正しい。副伝導路を焼灼することで発作を行らないようにする。心房細動を伴うWPW症候群でまず考慮する治療法である。
e 心臓再同期療法は低心機能で左脚ブロックを伴う場合に考慮される治療法である。

正答率:57%

テーマ:WPW症候群の治療

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