解決済 114B47 02.内分泌代謝

甲状腺機能亢進症における循環動態について

お世話になっています。
本症例では、皮膚が著明に湿潤し交感神経亢進が疑われるにもかかわらず、
脈拍104/分に対して血圧96/44であり血圧を保つことができていないように思います。
そこで、甲状腺中毒症においては脈拍数上昇に伴う高血圧が認められるように覚えていたので、疑問に思い質問させていただきました。

本症例について、診断基準としては甲状腺クリーゼおよびショックには該当しないものの、
考えられる病態としては甲状腺機能亢進に伴った全身の循環動態不全が生じているものと考えてよいのでしょうか?
出血を疑う所見もなく、甲状腺機能亢進に伴う皮膚が著明に湿潤がみられることから、
脱水の程度は循環動態に影響するほどのものではないと考えています。
ご教授いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

回答1件

  • 爽健美茶さん
    >本症例について、診断基準としては甲状腺クリーゼおよびショックには該当しないものの、
    考えられる病態としては甲状腺機能亢進に伴った全身の循環動態不全が生じているものと考えてよいのでしょうか?
    僕もそう思います。高拍出性心不全と電解質異常が混在してこのバイタルになってると考えます
    BUN/Crが56でかなり上昇してますが、Htは48%でおっしゃるとおり脱水はひどくなさそうなので、これは純粋に甲状腺機能亢進で代謝が上がっているからだと思います
    (→BUN/Cr高値>15……
    ①消化管出血 cf.109C6のフォーラム②蛋白摂取過多
    ③脱水〜有効循環血漿量減少(全身性のpitting edemaを来す疾患……肝臓・腎臓・心臓)→腎前性腎不全で近位尿細管からのBUN吸収が増えるので
    ④甲状腺機能亢進(タンパク異化の亢進による→111H19))。
    しかし、低血圧〜ショックをきたす原因として低K血症も考えられそうです。
    徐脈性ショック→VF AED ON! 国試的には神経原性ショックが重要ですが
    Vasovagal, Freezing, Adams-Stokes/AMI(特に下壁梗塞でAV blockの時), Electrolytes(hyperkalemia/hypercalcinemia)/Endocrine(hypothyroidism/Addison), Drugs(ABCD→Antiarrhythmics, Beta blocker, Ca inhibitor, Digitalis), hypOxia, Neurogenic shock 
    甲状腺機能亢進単体ならHR>130とかなるところを、低Kで修飾がかかっているのでそこまで頻脈になっていないのではないかと考えます。
    http://www.japanthyroid.jp/doctor/img/crisis2.pdf
    しかし、血圧が大脈になっているのは甲状腺機能亢進らしいと思います。
    自分にできるアセスメントはこれくらいなので、なにか他の人の意見も伺いたいです。
    追記
    低Kでも確かに洞性徐脈にはなりうるようなのですが、心電図変化はさまざまなのでQT延長からの心室細動(Torsade de Pointes)の方がメジャーかもしれません
    https://www.uptodate.com/contents/clinical-manifestations-and-treatment-of-hypokalemia-in-adults?search=hypokalemia&source=search_result&selectedTitle=1~150&usage_type=default&display_rank=1#H419957
    頻度的・臨床で問題になるプレゼンテーション的に考えて「●高カリウム血症→静かに心臓止まる ●低カリウム血症→にぎやかに心臓止まる」というイメージの方がいいかもしれませんね。上記のネモニクスも書き換えました
    https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/murakawa/201709/552475.html

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  • 問題参照 114B47

    次の文を読み、以下の問いに答えよ。

    22歳の男性。全身の脱力のため救急車で搬入された。

    現病歴:3か月前から運動時の動悸を自覚していた。1か月前にテニスをしたところ、翌日起床時にベッドから起き上がりづらく、4時間ほど休んでいたら元に戻った。昨日は特別な運動をしなかったが、焼き肉店で遅くまで友人と大量に飲食したのち、30分程度歩いて帰ったという。本日起床時ベッドから立ち上がろうとして力が入らず、次第に上肢にも力が入らなくなってきたため救急車を要請した。

    既往歴:特記すべきことはない。

    生活歴:大学生で実家暮らし。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

    家族歴:特記すべきことはない。

    現 症:意識は清明。身長172cm、体重55kg。体温37.8℃。脈拍104/分、整。血圧96/44mmHg。呼吸数22/分。皮膚は著明に湿潤している。瞳孔と眼球運動とに異常を認めない。構音に異常はない。徒手筋力テストで近位筋優位の筋力低下を認める。四肢腱反射は低下しているが、左右差は認めない。筋萎縮は認めない。感覚系に異常は認めない。

    検査所見:尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血(−)。血液所見:赤血球515万、Hb 17.3g/dL、Ht 48%、白血球5,900、血小板20万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、AST 20U/L、ALT 25U/L、CK 120U/L(基準30〜140)、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン0.5mg/dL、血糖85mg/dL、Na 139mEq/L、K 2.4mEq/L、Cl 101mEq/L。

    この病態の原因として最も考えられる臓器はどれか。

    • a 胸腺
    • b 膵臓
    • c 副腎
    • d 甲状腺
    • e 副甲状腺
  • 関連トピック

    なし