解決済 103F28 05.感染症

結核は、確定診断がつかない場合、入院勧告とはならないのか

お世話になっております。
103F-28の問題についてです。
担当医は結核症の可能性が高いと経験的に判断して治療開始を判断し、抗結核薬投与及び入院治療も必要と判断したとあります。
結核は2類感染症なので、結核であれば入院勧告の対象だと思います。
この問題では文中にも、「同居家族の状況から入院治療が必要」と判断したとあり、確定診断がつかない場合は、法律で決められているから入院とするというわけではないということなのでしょうか。

回答1件

  • おっしゃることは極めて合理的で十分にわかりますが、国試の過去問を養護する観点からは2点コメントできると思います。
     
    ①「法律で決まっているから」ですべて片付くのか?
     
    例えば殺人は重大な犯罪で、これを犯すと逮捕、最悪死刑まであります。
    が、では「どうして人を殺してはいけないの?」と例えば子供に聞かれた場合、「法律で決まっているからだよ」と答えるのでは教育的によくないと僕は思います。
    自分の尊い命が他者の判断で左右されてしまうこと、人を傷害すること、被害者の遺族の悲しみ、などさまざまな観点から議論されねばなりません。
    本問でも「どうして入院が必要なの?」→「法律で決まっているから」というのではあまりに短絡的であり、「ではどうして法律で決まっているの?」まで深堀りした問題と考えることができます。
     
     
    ②入院勧告を拒否した場合にどうなるのか?
     
    本問では「患者は外来治療を希望していた」とありますので、もしかしたら入院を拒否したのかもしれません。
    実際問題、入院勧告を拒否して逃亡等しても、現時点では罰則等の具体的な定めは無いようです。
    https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20210125-00219321/
    ↑最近の記事ですが、興味深いです。
    そんな患者に対しては「法律で決まっているから入院しないといけません」のように頭ごなしに言うより、「お孫さんのためにも入院しましょう」と伝えたほうが効果的なのではないでしょうか?

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  • 問題参照 103F28

    次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
    53歳の男性。1か月以上続く咳と37 ℃台の微熱とを主訴に来院した。
    既往歴:23歳時に肺結核で1年間入院治療した。
    家族歴:母(76歳、降圧薬服用中)、妻(51歳、高脂血症薬服用中)、長男(29歳、交通事故による下肢切断で義足装着中)、長男の妻(27歳、気管支喘息で気管支拡張薬服用中)、孫(生後1か月)。
    現 症:身長165 cm、体重55 kg。体温37.2 ℃。呼吸数18/分。脈拍84/分、整。血圧116/72 mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛や抵抗を認めない。
    検査所見:胸部エックス線写真で右上肺野に石灰化陰影とその周囲に軟らかい浸潤陰影とを認める。結核菌の喀痰塗抹検査は陰性であった。
    臨床経過:担当医は結核症の可能性が極めて高いと判断し、治療を開始することとした。患者は外来治療を希望していたが、担当医は同居家族の状況から入院治療が必要と判断した。入院後、抗結核薬の4剤併用投与を開始した。治療開始前に行った喀痰培養で結核菌が陽性で、薬剤感受性菌であることが後日判明した。治療開始後2か月目に結核菌培養が陰性となったため退院とした。外来で治療を継続したが、退院4か月後ころから自覚症状と胸部エックス線陰影とが増悪して喀痰塗抹検査が陽性となり、結核菌が証明された。抗結核薬の服用が不規則で飲み残しの多いことが判明し、担当医は入院を指示し規則的な服薬を強く指導した。
    初回の入院治療が必要であると判断したのはどの家族のためか。
    • a 母
    • b 妻
    • c 長男
    • d 長男の妻
    • e 孫
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