解決済 105A46 01.腎

IgA腎症で抗血小板薬が有効な理由

48歳女性、IgA腎症の患者さんの治療方針で、抗血小板薬がなぜ有効なのか、いろいろ調べたのですが納得いく解説がなかったので質問しました。本症例では、口蓋扁桃の腫大が認められるのですが、その理由から炎症後の血栓を防ぐためとの解説もありました。もし、なぜ抗血小板薬が有効なのか知っていたら教えていただきたいです。

回答3件

  • 本当にざっくりとした機序なのですが

    ① 糸球体障害

    ② ①に対する血小板の活性化

    ③ 腎障害物質の産生

    ④ 腎炎の悪化

    さらなる糸球体障害(①に戻り、悪循環)

    この①~④の悪循環のうち②を抑えることで
    IgA腎症、ネフローゼ症候群に対して使用すると、腎機能改善やCrクリアランスの上昇、および尿中蛋白減少効果が期待されるみたいです。

    訂正などあればご教授ください!

  • IgA腎症のようにメサンギウム基質に免疫複合体が沈着する疾患では、
    増生したメサンギウム基質が周囲の血管を圧迫し、血管障害のため血尿がみられます。

    このことはつまり、圧迫を受けた血管において血栓が形成されるリスクとなるということですので、
    糸球体保護を目的として抗血小板薬や抗凝固薬が有効です。

    というように穂澄先生が講座内でおっしゃっておりました。

  • 教えていただきありがとうございます。増殖したメサンギウム基質による血管障害に対しての腎保護作用のためで有効ということなんですね。ありがとうございます。

コメントを投稿する

ログインするとコメントを投稿することができます。

  • 問題参照 105A46

    48歳の女性。尿検査の異常を主訴に来院した。2年前に健康診断で尿検査の異常を指摘されたが、受診しなかった。今年の健康診断でも同じ異常を指摘されたため精査目的で来院した。身長160cm、体重60kg。体温36.4℃。脈拍72/分、整。血圧142/84mmHg。口蓋扁桃の腫大、発赤および白苔の付着を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟。四肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血3+、尿蛋白1.8g/日。血液所見:赤血球380万、Hb 11.2g/dL、Ht 34%、白血球6,600、血小板18万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.8g/dL、IgG 1,560mg/dL(基準739~1,649)、IgA 360mg/dL(基準107~363)、尿素窒素24mg/dL、クレアチニン1.4mg/dL、尿酸8.5mg/dL、Na 136mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 104mEq/L。免疫学所見:CRP 0.3mg/dL、抗核抗体陰性。腎生検のPAS染色標本(A)、蛍光抗体IgA染色標本(B)及びC3染色標本(C)を別に示す。
    この患者に対する治療方針として適切でないのはどれか。
    • a 蛋白制限
    • b 抗血小板薬投与
    • c ステロイドパルス療法
    • d 非ステロイド性抗炎症薬〈NSAID〉投与
    • e アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与
  • 関連トピック