解決済 105D45 01.腎

アシドーシス補正

まず105D45 64歳の男性が慢性腎不全で全身倦怠感と浮腫を呈した症例についてです。

適切ではないものを選ばせる問題として、選択肢が
aインスリン皮下注射 bアルブミン点滴静注 cエリスロポエチン皮下注射 dカルシウム拮抗薬経口投与 e重炭酸ナトリウム経口投与
として与えられています。

本症例における解答はbであることに疑いはないのですが、e:重炭酸ナトリウム経口投与については、pHもケトンもHCO3-も与えられておらず、Kのみで血中pHを推し量るほかない状況で投与するのは不適切であるように思われます。

同様に、108I67においても、pH7.34の状況下での炭酸水素ナトリウムの投与について、代謝性アシドーシスの是正に有効との解説がなされています。pHの基準としてUp To Dateでは、7.1との記述があり、軽度pH低下の状況での投与は不適切であるように思われます。

質問としては
①軽度の代謝性アシドーシスに対して重炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウムの投与は一般臨床上よく行われていることなのか?
②国家試験対策上、軽度であっても代謝性アシドーシスに対しての重炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウムの投与は「行う」と考えたほうがいいのか?
の2点について、是非ご意見いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

回答3件

  • 「適切なのはどれか」と「適切でないのはどれか」という文言を明確に線引しましょう。
    実臨床の場では「最適ではないが、適切でないともいえない」ものが存在し、重炭酸ナトリウムを始めとする対症療法はその代表例です。

    • ほずみん先生

      お忙しい中返信ありがとうございます。
      となると重炭酸ナトリウムによるpH調整が選択肢として出てきた場合、△をつけておいて、ほかに選択肢がなければその選択肢を選ぶのが妥当と考えてよろしいでしょうか?

    • それでバッチリです!
      かつては「pH 7を切ったらやる!」などと教えていたのですが、最近の出題ではpHの値だけでは選びきれない問題もちらほら見られます。

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  • 問題参照 105D45

    64歳の男性。浮腫と全身倦怠感とを主訴に来院した。10年前に健康診断で血糖高値と血圧高値とを指摘されたが受診しなかった。半年前から夜間排尿回数の増加を自覚していた。1か月前から浮腫と全身倦怠感とが出現し、次第に増悪するために受診した。飲酒は日本酒1合/日を40年間。喫煙は15本/日を40年間。身長168cm、体重74kg。体温36.0℃。呼吸数16/分。脈拍80/分、整。血圧166/100mmHg。眼瞼結膜に貧血を認める。心尖部に2/6度の収縮期雑音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は軽度に膨隆し、圧痛を認めない。肝・脾を触知しない。前脛骨部に浮腫を中等度認める。尿検査:蛋白3+、糖1+、潜血1+。血液所見:赤血球280万、Hb 8.2g/dL、Ht 22%、白血球5,000、血小板20万。血液生化学所見:空腹時血糖146 mg/dL、HbA1c 6.8%(基準4.3~5.8)、総蛋白5.8 g/dL、アルブミン3.0 g/dL、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン2.2mg/dL、尿酸8.2 mg/dL、Na 140mEq/L、K 6.0mEq/L、Cl 114mEq/L。胸部エックス線写真で心胸郭比56%であり、心電図で左室肥大を認める。
    治療として適切でないのはどれか。
    • a インスリン皮下注射
    • b アルブミン点滴静注
    • c エリスロポエチン皮下注射
    • d カルシウム拮抗薬経口投与
    • e 重炭酸ナトリウム経口投与
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