解決済 113A32 12.小児科

カリウム値にについて

先天性副腎皮質過形成の場合、21hydroxylaseの欠損により、アルドステロン、コルチゾールが低下し、低ナトリウム、高カリウムを呈することは理解できます。
一方、この症例では、嘔吐を繰り返しており、アルカローシスによりカリウム値が下がるため、異常高値を示すのか疑問に思いました。
カリウムの上昇の程度と、アルカローシスによる低下の程度の大小では、上昇の程度の方が大きいと考えてよろしいのでしょうか。

また、21hydroxylaseでは塩類喪失型や単純男性型があり、この症例では、男性化症状は示されていますが、電解質については示されておらず、この問題文だけで塩類喪失型と単純男性型の区別をすることは可能なのでしょうか。もし、単純男性型であれば、高カリウムはなく、頻回の嘔吐によりむしろ低カリウム性アルカローシスになるのではないかと思い、静脈血pHが上昇すると考えてしまいました。
塩類喪失型と考えれば静脈血pHの上昇もおかしいことになるので、単純に塩類喪失型と考えれば全て納得できますが、問題文だけで判断できるのでしょうか。

誰かわかる人がいればよろしくお願いします。

回答3件

  • こんにちは。6年次の学生です。
    大学の科目別試験や卒業試験などでは21-OHlase欠損症の分類を考慮したりしましたが、個人的には国家試験ではそこまで考えなくてもよい問題しか出ていない印象です。
    (21-OHlase欠損と17-OHlase欠損、それぞれによるアルドステロン・コルチゾール・テストステロンの動きがわかるだけでよい)

    よって、以下の議論は現在の医師国家試験の合否には全くかかわらないものと思いますが、拙い知識で少し考えてみました。なお、文献検索などは行っておりませんので参考程度にお願いします。致命的な間違いがありましたらご指摘ください。

    ざっくりではありますが、21-OHlaseには重症なものから、塩類喪失型、単純男性型、遅発型の3つの分類がありますね。今回遅発型は少し時期がずれていると考えられるので考慮しません。

    次に塩類喪失型と単純男性型の鑑別ですが
    症状の程度でみる(塩類喪失型はその名の通り電解質異常をきたすため重症になりやすく、単純男性型では比較的電解質異常がみられにくいため前者に比べるとやや軽症)
    →本症例は陰核肥大のほかにも嘔吐、活気低下、脱水徴候、皮膚色素沈着があるなど重症そう
    →どちらかというと塩類喪失型っぽい?

    と私は考えました。ただ、電解質検査の結果がわかりませんのでどちらかの判定は事実上不可能かと思います。

    前後しましたが、嘔吐による代謝性アルカローシスでの低カリウム傾向と21-OHlase欠損による高カリウム傾向の拮抗については、確かに「カリウムの異常高値」という結論には疑問が残りますね。
    しかし、本症例においては塩類喪失型の21-OHlase欠損症が考えやすいこと、そして設問文の「異常高値を呈する可能性の高い検査」という文言から「b. カリウム」以外は選べないのかなと思います。

    • 回答ありがとうございます。
      最初から素直に考えれば、カリウムの高値で納得できますが、深く考えてしまいました。
      内分泌の問題は、ややこしいのが多くて大変です(笑)
      お互い頑張りましょう!

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  • 問題参照 113A32

    生後11日の新生児女児。2日前から嘔吐を繰り返し哺乳力が低下したため、両親に連れられて来院した。在胎39週、出生体重3,180g、Apgarスコア9点(1分)、9点(5分)で出生した。完全母乳栄養であるが、来院の3日前までの哺乳力は良好で、1日2回の黄色顆粒便を排泄していた。出生した産科診療所から新生児マススクリーニングで異常を認めたと本日、家族が連絡を受けた。来院時は活気がなく、泣き声は微弱であった。身長52cm、体重3,230g。体温36.3℃。心拍数160/分、整。血圧60/30mmHg。呼吸数50/分。SpO2 96%(room air)。毛細血管再充満時間4秒と延長している。全身の色素沈着と軽度の黄染とを認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、右肋骨弓下に肝を1.5cm触知するが、脾は触知しない。腸雑音に異常を認めない。大泉門は径1.5cmでやや陥凹している。陰核の肥大を認める。診断のため血液検査を施行することとなった。

    異常高値を呈する可能性の高い検査項目はどれか。

    • a 血糖
    • b カリウム
    • c 静脈血pH
    • d アンモニア
    • e 直接ビリルビン
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