質問者様の言う通りで、Ca拮抗薬によってGERDが生じ、慢性咳嗽を呈する可能性は十分考えられます。
(Ca拮抗薬とGERDの関係性を調べた論文もあります。以下のリンクを参照していただけますと幸いです;
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2000612/pdf/bcp0064-0083.pdf)
以降は、恐らく質問者様の質問の意図とは違うと思うのですが、不躾ながら付け加えさせていただきます…
読んでもらわなくても結構です。
今回の問題はあくまで、正しい選択肢を1つ選べという問題ですので、いわゆるOne Bestを選択する問題かと思います。
その際に、c. 降圧薬ではカルシウム拮抗薬が主な原因である。が正解になる可能性というのは、上に示した論文でも、Ca拮抗薬を服用した患者の内、30%程度がGERDを発症し、更にGERDの症状の内、胸痛や胸やけといった典型的症状でなく、慢性咳嗽を主訴にした例という事になるので、およそ2%の患者で認めるかどうかという確率になります。
これに対し、ACE阻害薬のように慢性咳嗽が既に副作用として知られている薬物では、およそ5~35%の患者で咳嗽を認める事が知られています(これについての根拠は、次に示すURLを参照してください。https://www.medscape.com/viewarticle/739521)。
ですので、降圧薬の中で【慢性咳嗽】が主訴となる【主な原因】としての【降圧薬】は、やはりACE阻害薬という事になるのではないでしょうか…?
これに対して、絶対的に正しいと考えられるe. 副鼻腔気管支症候群にはマクロライド系抗菌薬が有効である。という選択肢は、以下に示す文献に記載されているように既に有用性が(その薬理機序の解明にまでは至らずとも)示されている療法という事になります。
(参考;副鼻腔気管支症候群とマクロライド系抗菌薬の関係性については、次のURLを参照してください☞http://medical.radionikkei.jp/kansenshotoday_pdf/kansenshotoday-120905.pdf)
ですので、あくまでOne Bestを選べ、という問題では、e.に軍配があるのかな、といった印象を受けます。
以上は補足ですので、参考までに聞いていただければ幸いです。
回答になれば嬉しいです…!
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慢性咳嗽について正しいのはどれか。