解決済 111B46 12.小児科

IgA腎症と紫斑病性腎炎の違い

IgA腎症とIgA血管炎によって起こる紫斑病性腎炎はともに似た症状・病理所見を示しますが、これらの違いは何なのでしょうか?国試問題なら、紫斑病性腎炎は予後が良く、IgA腎症は予後が悪いといった感じでざっくり覚えていたんですが、111B46では紫斑病性腎炎ですが、予後は悪く、しかもIgA血管炎の好発年齢の小児ではなく70歳の男性ということでした。考えているうちに頭の中がごちゃごちゃしてきたので、教えてください!お願いします。。。

回答4件

  • 回答失礼致します。
    IgA腎症は、感冒症状が見られた同時期に腎障害が見られます。このIgAはメサンギウム気質に沈着します。またIgA血管炎による腎障害でもIgA腎症のような糸球体障害が見られます。

    ここでIgA腎症とIgA血管炎についての違いは、IgA腎症では感冒症状による発熱は出ますが関節痛や腹痛などの全身症状が見れられることはないことだと思います。

    この問題の場合、関節痛や腹部の疝痛、皮疹などはIgA腎症では見られないものではないかと思います。

    また予後についてですが、RPGNを合併する場合は予後が悪いです。今回Bの画像で半月体が見られているため予後が悪いと判断できます。

    質問者さんの意図に添えているか不安ですが一つ参考になれば幸いです。

  • ドスコイ高崎様
    とてもわかりやすい回答、解説ありがとうございます。
    紫斑病性腎症がRPGNを伴う場合は、全身症状は置いといて、腎に関してはIgA腎症と同じ病態になるという理解で良いでしょうか?

  • 回答失礼致します。
    その場合、IgA腎症様の症状というよりはRPGNの症状が前面に出るのではないかと思います。
    IgA血管炎時の腎ではIgA腎症様の症状(かつ病理的な所見でも)が見られ血尿が出ますが、RPGNを呈した時は急速に腎障害が進むため予後が不良となると私は理解していたので、別の病態と考えるべきだと思います。

    • なるほど、よくわかりました。
      ありがとうございました!!

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  • 問題参照 111B46

    70歳の男性。下腿の皮疹を主訴に来院した。約3週間前に両下腿に皮疹が出現し、一過性に両膝関節痛と腹部の疝痛があった。数日前から皮疹が増悪したため受診した。身長168cm、体重57kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧150/82mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。両下腿に皮疹を認める。両側の足背に軽度の浮腫を認める。尿所見:蛋白1+、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、尿蛋白1.8g/日。血液所見:赤血球420万、Hb 12.2g/dL、Ht 36%、白血球9,400(分葉核好中球64%、好酸球3%、好塩基球1%、単球7%、リンパ球25%)、血小板19万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.8g/dL、尿素窒素32mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL。免疫血清学所見:抗核抗体陰性、MPO-ANCA陰性。尿中Bence-Jones蛋白陰性。診断のため腎生検を行った。下腿の皮膚所見(A)、腎生検のPAM染色標本(B)及び蛍光抗体IgA染色標本(C)を別に示す。

    この患者で正しいのはどれか。

    • a 腎機能の予後が悪い。
    • b 消化管出血は起こらない。
    • c 心電図異常を高率に合併する。
    • d 皮膚生検で真皮深層にIgGが沈着する。
    • e 悪性腫瘍のスクリーニングが必要である。
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