お世話になっております。
『2018年あたらしい内科外科⑥呼吸器』の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の臨床像を見直している最中に、この症例もしかしたら…と思い投稿させていただきました。
うつ病と診断された肥満体型の52歳女性がSASと診断されるわけですが,SASの背景に甲状腺機能低下症が潜んでいる可能性を考えました。
穂澄先生の内分泌代謝の講義の先端巨大症の項目にて、軟部組織の腫大によりSASをきたすとのお話がありました。
甲状腺機能低下症におけるムコ多糖の沈着が上気道に起これば類似の機序にてSASを来たし得るのではないかと考えました。
脈拍や主訴が動悸であることや、ほかにあまり機能低下を推してないことから否定的ですが…
実際、3分以内で調べたところ、このような症例報告は何件かあるようです。
また一方でうつ病の前駆症状としてのSASという考え方もあるようでして、本問はこちらの知識を背景にしているかもしれないと思う顛末に至りました。
わざわざ「うつ病で内服治療中」と書いてあることからこのような想像に至ってしまったわけですが、皆さまはどのようにお考えになりますか?
臨床像を覚える合間に、束の間の好奇心発散の場面であったため、幾分か過誤が多いと思いますがよろしくお願い致します。
SASの治療により抑うつが改善されることもあるとのことで(他社の国試解説集より)、わざわざうつ病の背景のある患者であることには理由があるかもしれませんね。この問題のモデルとなった患者はSASを治療したら抑うつもなくなっちゃったのかも、、とか妄想が出来そうです。
呼吸器の学内試験で二次性のSASとして甲状腺機能低下症を聞かれたことがあり、気になったのでコメントしました。
テーマとしてはとても面白いと思います。本問についての実際のところは作問者にしかわかりませんが・・・
pokoさん、akaiさん、ありがとうございます!
甲状腺機能低下症、うつ病とSASのクロスリンク、とても興味深いです。
頻繁にこれ系の問題を作成する側の視点からすると、「『SASに睡眠薬はNG』というテーマをどう問おうか?」と考えます。単純に「睡眠薬を服用中」と本文に示して、選択肢eを「睡眠薬内服をやめましょう」的にするのが素直ですが、それだとミエミエで面白くない。では、睡眠薬を飲むような背景の人をそれとなく設定しよう、となったのではないでしょうか。その過程で、pokoさん、akaiさんご指摘のようなうつ病に白羽の矢が立ったのだと思います。
内分泌代謝、呼吸器、精神科、と複数分野にまたがる良質な融合テーマでしたので、自分用のオリジナル予想問題ネタ帳に追加させてもらいました!
お二方ご回答ありがとうございます!
なるほど、治療後からの視点、作問者側からの睡眠薬のトピックと交えた視点、大変興味深く拝読させて頂きました。
自分も学内の小勉強会でさっそくテーマにしてみようと思います。ありがとうございました。
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52歳の女性。就寝中に呼吸が止まるのを夫に指摘されて来院した。3か月前から動悸と昼間の眠気とを感じている。4か月前からうつ病で内服治療中である。喫煙は10本/日を30年間。飲酒はビール1,000mL/日を20年間。身長161cm、体重78kg。脈拍76/分、整。血圧156/104mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。簡易モニター検査後のポリソムノグラフィで無呼吸低呼吸指数は26(基準5未満)、無呼吸の最長持続時間は112秒(基準9未満)、睡眠中のSpO2は最低値77%、平均値96%、いびきの回数は428/時間である。
この患者に対する働きかけとして適切なのはどれか。3つ選べ。