解決済 111A48 09.肝胆膵

111A48の診断と解答に対しての疑問

medu4では憩室炎と診断していますが、文面の症状と画像診断から虫垂炎ではないかと思いました。
なので抗菌薬か手術の判断にはいささか困難ではないかと思うのですがどうなんでしょうか?
厚労省の答えは抗菌薬ですが、内科的なアプローチではないかと考えました。
外科的アプローチではここまで症状の悪化と画像診断からの病巣の肥大とを加味すると手術が第一選択なのではないでしょうか。

回答4件

  • 学生です。
    カイジ0724さんのおっしゃるとおり、
    血液所見の前までは、61歳女性の上腹部痛で、虫垂炎、胆嚢炎、胆管炎、憩室炎など様々な鑑別があがると思いますが、
    画像所見で胆道系に異常は認めませんし、
    もし、今回の症例が虫垂炎なら、CT画像のhighな部分はもっと下方に見えるはずです。(参考:109A35)
    以上のことから今回のケースは憩室炎と考えられます。
    治療としては、
    憩室の存在→経過観察
    炎症をきたしている→抗菌薬による保存的治療
    穿孔、広範な腹膜炎→ope
    なので、治療としては抗菌薬投与になります。

  • ご返信ありがとうございます。
    おっしゃる通り憩室炎の鑑別もできます。
    しかし、虫垂炎も部位は移動するので可能性はないのでしょうか?
    また、CTにおいて炎症部位にhighが見られますが、憩室炎の場合だとこのような所見は典型的に見られないのではないでしょうか?あと単一な点も疑問が残ります。
    ここまでhighであると糞石が一番疑われると思うのですが。

    • 憩室炎において、糞石が認められることも多くあります。そのため、糞石=虫垂炎ではありません。
      また、憩室は多発することが多いですが、単発のこともあります。
      虫垂の部位は移動するとはいえ、上行結腸は後腹膜に固定されてますし、肝臓の真下ぐらいにまで移動するのはさすがにないと思います。

  • 参考になればと思います。
    憩室炎の分類にHinchey分類があります。
    大まかにいえば,限局性腹膜炎までであれば内科的治療を優先し,汎発性腹膜炎あるいは糞便性腹膜炎に至ると手術適応となります。
    身体所見や画像所見から,限局性腹膜炎であると考えられますので,この分類に従って考えると,答えは抗菌薬で治療となります。

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  • 問題参照 111A48

    61歳の女性。腹痛を主訴に来院した。1日前から上腹部の鈍痛を自覚し、次第に増悪してきたため受診した。腹痛は持続性であり、心窩部から臍周囲まで広範囲に認め、限局していないがやや右側に強い。悪心はあるが嘔吐はない。体温37.4℃。脈拍72/分、整。血圧120/72mmHg。呼吸数16/分。同部位に圧痛と軽度の反跳痛を認めるが筋性防御を認めない。便は軟便であるが水様下痢ではなく、血液は混じっていない。腸雑音はやや低下し、金属音は聴取しない。血液所見:赤血球432万、Hb 13.1g/dL、Ht 39%、白血球15,500(桿状核好中球32%、分葉核好中球58%、好酸球1%、好塩基球1%、リンパ球8%)、血小板29万。血液生化学所見:尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL。CRP 5.7mg/dL。腹部超音波検査で肝臓と胆嚢とに異常を認めない。腹部CTの水平断像(A)と冠状断像(B)とを別に示す。

    治療として適切なのはどれか。

    • a 抗菌薬投与
    • b 大腸切除術
    • c 虫垂切除術
    • d イレウス管による減圧術
    • e 体外衝撃波結石破砕術〈ESWL〉
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