全問解説講座の中で「ケトン体が上がるのはDKAなので、必然的に血漿浸透圧も上がりbとeはセット」とおっしゃていましたが、自分で解いた際に大量飲酒による低血糖を引き起こし、血糖が低下したことから脂肪分解が促進されケトン体が産生された可能性も考えたのですが、
本問題に限らず一般的にケトン体産生は高血糖を疑いやすい所見であり、低血糖は否定的と考えられる所見なのでしょうか?
回答よろしくお願い致します。
妊娠悪阻などでもケトン体が出ますし、ケトン体産生=高血糖、とは断定しづらいと思います。
ただ、低血糖でケトン体産生する場合は飢餓状態となるので、国試的には「数日〜1週間以上食事がとれていない」などといった表記がある印象です。前日の夕食をきちんととっていることが記載されていること、また感冒症状などの記載がなくシックデイも疑いにくいので、今回は低血糖でケトン体を産生するのは考えづらかったのではないかと思います。
112回当時でも、乳酸を5割、ケトン体を3割が回答しているので、十分割れ問ですよね。この辺りは誘導に乗っかるしかないのでしょうか・・・
血糖に加えて何を測定すべきか、ということなので、急性の低血糖を疑ってその原因となるメトホルミン増量→乳酸アシドーシスを選択するか、急性の高血糖を疑ってDKA→ケトン体の変化または浸透圧(どちらかは選べないので先生の「bとeはセット」発言になる)の2択になるのかなと理解しました。(一晩の低血糖ではケトン体が産生するには至らないと考えております)
また、この問題設定的にまだ採血もできておらず手探りなので、まず緊急性の高い乳酸アシドーシスやDKAを除外したいのかもしれません。
この問題の意識障害の鑑別は、低血糖、メトホルミンの副作用の乳酸アシドーシスの2つです。低血糖は、血糖を調べればわかりますし、乳酸アシドーシスは乳酸を調べればわかります。よって血糖値に加えて調べるべき検査は乳酸となります。
〜追記〜
ケトン体が不正解となる理由について補足します。低血糖によってケトン体が上昇しているのが分かったとしても、低血糖ならば糖を入れるだけなので、治療方針は変わりません。これに対して、乳酸アシドーシスは、血糖値からだけでは診断できないので、乳酸を調べる必要があります。また乳酸アシドーシスならばメトホルミンを休薬しなければいけないので、治療方針も変わります。
要するに、低血糖によって二次的に変化するケトン体の値よりも、全く別の病態である乳酸アシドーシスを診断できる検査を選ばなければならないと言う問題だと思います。
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48歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。同行した家人によると、3年前からかかりつけ医で2型糖尿病の内服治療を受けている。喫煙歴はないが、毎日缶ビール500mLを1、2本程度飲むという。昨日は糖尿病の薬を普段通りに内服し夕食時に缶ビール3本に加えて日本酒2合を飲んで就寝した。朝になっても起きてこないので家人が様子を見に行ったところ反応がおかしかったので救急車を要請した。意識レベルはJCS II-20。身長170cm、体重81kg。体温35.7℃。心拍数92/分、整。血圧156/98mmHg。呼吸数24/分。SpO2 99 % (room air)。家人が持参してきていたお薬手帳を別に示す。
血糖に加えて、まず確認すべき血液検査項目はどれか。