解決済 108D43 01.腎

造影剤禁忌となる基準

本問では、解答は眼底検査で間違い無いですが、eの選択肢の解説において血清クレアチニンの上昇から造影剤の使用が禁忌と解説されています。
しかしながら、血中クレアチニン値は2.6mg/dLだけで腎不全と判断し造影剤禁忌と言えるかは疑問が残ります。
これは、本問のみならず多くの設問で気になる箇所です。ある程度はっきりした基準の下に禁忌とわかれば、すぐに選択肢を切ることができるので便利だと思います。
禁忌特講も受講しましたが、66番の112A39では数値などについて細かな説明はなかったと思います。
そこでクレアチニンのみで判定していいかを含め、検査で造影剤が禁忌となる大まかな基準はないでしょうか?どうかよろしくお願いします。

回答2件

  • 基準値‥ほしい気持ちは大変よくわかります。
    が、腎機能はクレアチニンだけでは評価できません。慢性腎臓病のステージ分類では尿タンパクとeGFRが用いられています。この方のeGFRを計算すると16.2とステージ4の腎不全です。その方に造影すると透析になるかその一歩手前になるでしょう。もちろん造影しないと死ぬ場合(心筋梗塞になっている時等)はハイドレーションと言って造影前後で輸液を行い腎の負担を軽減させた上で造影剤を用います(このハイドレーションを行うeGFR下限値も医師によってバラバラです)。ガイドラインでも造影剤使用によるリスクはステージ分類G3a、G3b以下‥と決まっていないようです。少なくともこれらの論議にはクレアチニンではなくeGFRを用いている時点で、クレアチニンだけでは決められないことがわかるかと思います。
    そして、今回のケースは造影剤は必ずしも必要とは言えません。医療の原則として、「必要のない造影は行わない」ということが挙げられ、この場合は、必要のない検査にて、患者を透析に至らしめてしまう十分な禁忌肢です。

    結論を言うと、造影剤を使えるクレアチニンの基準値はありません。しかし、小柄な女性は筋肉量が少ないのでクレアチニン値が小さくても腎機能は低下していますので注意が必要だという認識と、いついかなる時にも不要な造影剤は使わないというスタンスでいた方が国試でも実臨床でも役立つと思います。

  • ありがとございます!
    eGFR換算するとわかりやすいですね。

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  • 問題参照 108D43

    52歳の女性。ふらつきと視力低下とを主訴に来院した。1か月前から頭重感があり、1週前からふらつきと左眼の見にくさとを自覚していた。既往歴に特記すべきことはない。母親が高血圧。意識は清明。身長157cm、体重56kg。体温36.0℃。脈拍96/分、整。血圧268/166mmHg。呼吸数16/分。頸静脈の怒張を認めない。甲状腺腫を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血(-)、沈渣に円柱を認めない。血液所見:赤血球382万、Hb 10.5g/dL、Ht 32%、白血球4,000、血小板2.5万。血液生化学所見:総蛋白7.6g/dL、アルブミン4.9g/dL、尿素窒素38mg/dL、クレアチニン2.6mg/dL、尿酸6.2mg/dL、血糖106mg/dL、HbA1c(NGSP) 5.8%(基準4.6~6.2)、総コレステロール242mg/dL、Na 141mEq/L、K 3.8mEq/L、Cl 107mEq/L、Ca 9.6mg/dL、P 4.0mg/dL。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比56%。腹部超音波検査で腎尿路系に異常を認めない。各種ホルモン検査を提出した。
    次に行う検査として適切なのはどれか。
    • a 脳波検査
    • b 眼底検査
    • c 呼吸機能検査
    • d 腎生検
    • e 静脈性尿路造影
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