解決済 113F62 03.血液

1日中ベッドに横になっている患者なのに、なぜ「ビスホスホネート製剤の投与」が正解なのか? ※117F49との対比

113F62は多発性骨髄腫の患者に対して高Ca血症の補正のためにビスホスホネートを考慮するという問題ですが、117F49にもあるように、この患者では「1日中ベッドに横になっていることが多い」とあり、起床後30分横にならないことは難しいのではないかと考えました。

食道潰瘍の副作用も考えると「食欲低下や嘔吐」もあることからビスホスホネートの内服は厳しいのではないかと考えたのですが、どのように考えたらよろしいでしょうか。

回答1件

  • ↑アプリ経由でよい質問をいただいたので、共有します。

    ビスホスホネート製剤を内服する際の注意事項については 117F49 で初めて出題されました。
    これを受けて、過去の問題で抵触があるのではないか? というとてもナイスな質問です!

    まず、 117F49 の本文を今一度確認です。
    「自宅近くの診療所で1年以上前から〜ビスホスホネート製剤〜の処方を受けており」
    ということで、これは確実に内服での処方ですね。
    ですので、cは正解になりません(詳細は 117F49 の選択肢考察を読んでください)。
     
    一方、今回の 113F62 は設問文にて「現時点で考慮すべき治療」となっており、投与経路の指定がありません
    ビスホスホネート製剤は経口(内服)投与以外にも、注射、点滴など様々な投与方法があります

    以下の添付文書もみてみましょう。
    https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00062783.pdf
    4の効能・効果にばっちり「悪性腫瘍による高カルシウム血症」と「多発性骨髄腫による骨病変及び〜」とあります。
    これは点滴静注製剤なんですね。
    ゆえに「1日中ベッドに横になっていることが多い」人でもOKとなります。

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  • 問題参照 113F62

    72歳の男性。腰背部痛を主訴に来院した。3年前に多発性骨髄腫と診断され、3種類の異なる抗癌化学療法を施行されてきたが、現在まで一度も寛解に至っていない。2か月前から腰痛、背部痛および肋骨痛が出現しNSAIDsが投与されたが、疼痛は増悪しており、最近は疼痛のため室内移動も困難であり1日中ベッドに横になっていることが多い。数日前から症状が増悪し、食欲低下および嘔吐をきたすようになった。意識は清明。身長172cm、体重54kg。体温37.2℃。脈拍84/分、整。血圧102/68mmHg。パフォーマンスステイタス〈PS〉4。眼瞼結膜は貧血様である。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。四肢に皮下出血を認めない。血液所見:赤血球277万、Hb 6.1g/dL、Ht 26%、白血球3,300、血小板4万。血液生化学所見:総蛋白11.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、IgG 8,450mg/dL(基準960~1,960)、IgA 26mg/dL(基準110~410)、IgM 18mg/dL(基準65~350)、総ビリルビン0.6mg/dL、AST 23U/L、ALT 17U/L、LD 325U/L(基準176~353)、ALP 420U/L(基準115~359)、尿素窒素30mg/dL、クレアチニン1.8mg/dL、尿酸9.2mg/dL、Na 145mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 14.0mg/dL。全身の骨エックス線写真で両側大腿骨に広範な骨融解像と第4、第5腰椎に圧迫骨折を認める。

    現時点で考慮すべき治療はどれか。

    • a 血小板輸血
    • b 自家末梢血幹細胞移植
    • c アルブミン製剤の投与
    • d ビスホスホネート製剤の投与
    • e 自立歩行を目的としたリハビリテーション
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