解決済 101F60 02.内分泌代謝

視床下部腫瘍とホルモン

解説にも記載されている通り、視床下部腫瘍には視床下部からのホルモンを亢進させる機能腺腫と、周囲を圧迫することで視床下部ホルモン分泌を低下させる非機能腺腫があると思います。
各々が、下垂体や副腎などに与えるホルモン分泌の影響はどうなりますでしょうか。
視床下部ホルモンが抑制されると下垂体ホルモン分泌は低下するのかと思いきや、視床下部からのPIFが抑制してドパミンが低下することでプロラクチンが亢進したりと少し混乱しております。
そもそも機能性腺腫と非機能性腺腫があれば、逆の動きとなり、問題自体が成り立たないような気もしてしまっております。疫学的な頻度の問題でしょうか。111A27のように、機能性腺腫かどうかを中途半端に考えると誤答しかねない問題も存在しており、考えすぎなのかもしれませんが…
また、視床下部腫瘍という言葉自体あまり耳にしたことがなかったのですが、頭蓋咽頭腫は下垂体ではなく視床下部腫瘍に属するのでしょうか。宜しくお願い致します。

回答4件

  • 頭蓋咽頭腫は視床下部腫瘍です。胚細胞腫瘍なんかも、覚えておきましょう。
    視床下部腫瘍は、基本的にホルモンを産生するケースは少なく、基本的には機能低下と考えて良さそうです。

    PRL(プロラクチン)はその他の下垂体前葉ホルモンと異なり、唯一、上位(視床下部)のホルモンから抑制を受けています。
    これは、国家試験レベルの問題においても、必須の生理学的知識です。
    したがって、PRLとその他の下垂体前葉ホルモンの動態(過増減)が異なる場合は、上位(視床下部)の異常を示唆します。
    動態が同じ場合は、下垂体前葉の異常を示唆します。

    Q.「視床下部ホルモンが抑制されると下垂体ホルモン分泌は低下するのかと思いきや、視床下部からのPIFが抑制してドパミンが低下することでプロラクチンが亢進したりと少し混乱しております。 」
    A. PRLは常に視床下部から抑制を受けているので、視床下部が機能低下すると、抑制が外れて亢進します……

    細かい分類/疫学のことを気にするよりは、まずはベースを抑えておくことをおすすめします。

  • お返事ありがとうございます。PRLの特殊性についての理解がより確かなものとなり、また、視床下部腫瘍は非機能腺腫を中心に考えるべきということや、胚細胞腫瘍が松果体だけでなく視床下部にも存在するということが理解でき、誠に感謝致しております。
    さらにお聞きしたいのですが、性腺機能を低下させることや乳汁分泌させることで有名なPRLですが、エストロゲン、プロゲステロン、乳汁分泌との相互の関係はどうなりますでしょうか。PRLはGnRHを抑制することで、EやPが抑えられる、逆にEはPRLを促進し乳汁分泌を促進すると考えていたのですが、あっておりますでしょうか。宜しくお願い申し上げます。

  • 僕の理解が正しければ……

    PRLは単独で性腺抑制作用・乳汁分泌作用があり、性腺刺激ホルモンであるEやPをコントロールする作用は、特に聞いたことがありません。

    PRLの最終的な作用としては性腺刺激ホルモンと拮抗していますが、どちらかがどちらかの分泌を抑制しているとかではありません。

    例えば分娩後の女性では、性腺刺激ホルモンの血中濃度は、非妊娠の女性よりやや高い程度ですが、PRLの血中濃度が、非妊娠の女性よりかなり高いので、後者の働きが勝るという結果になります。

    また、PRLが乳汁分泌を促進するのはご存知でしょうが、これも、性腺刺激ホルモンは特に関係はありません。

    ちなみに、射乳(分泌した乳汁を送り出す)の働きは、オキシトシン(下垂体後葉ホルモンの1つ)が担っています。

  • 妊娠中は性腺刺激ホルモン優位、産褥期はPRL優位になっているのですね。妊娠中もPRLは高いはずなのにとか思っておりました。丁寧なご回答をありがとうございました。

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