解決済 109H26 11.産婦人科

診察・検査を行う順番について

いつもお世話になっております。問題を解く上ではあまり関係のない事柄かもしれませんが質問をさせてください。
この問題では右下腹部痛や嘔吐を主訴とする患者さんに対して子宮外妊娠を疑い、妊娠反応を検査するというのが正しい選択肢になっています。
問題文では既に内診や経膣超音波検査を行っているのですが、なぜこのような専門的かつ侵襲の大きい手技を簡便に行える妊娠反応検査よりも先に行っているのでしょうか。(例えば、内診を行う前に排尿して膀胱を空にしてもらう段階で採尿は可能なのではないでしょうか?)
作問者の意図として、女性の特に左右差のある下腹部痛を見た場合子宮外妊娠を疑い妊娠反応を検査すべきだと言うメッセージだと解釈すればよいでしょうか。
それぞれの検査を行う順番について疑問に思ったので質問させていただきました。わかる方がいらっしゃいましたら教えていただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。

回答2件

  • 本問題を解く上では、「妊娠可能年齢の女性の腹痛」に対して、「妊娠反応検査」は必ずやらねばならないというメッセージのみをおさえておけばよいと思います。

    一方、通常多くの方が研修するような「総合病院」の救急医療現場では、
    ・救急を見ている研修医/医師が、内診・経膣超音波検査を行うことはほぼない
    ・実際のERでは、バイタル測定、腹部超音波検査、尿検査(妊娠否定)、血液検査(必要に応じて)を行うのが1stになる
    ・その上で、産婦人科医を呼んで診察を依頼する or 事前に患者が来ることを伝えておく(としても1st タッチは救急医でやっといて、になるかも;施設差ある部分です)
    こういう流れでは、と思われます。

    つまり、通常の診療フローでは、このような患者に対して、妊娠反応検査よりも内診を先にすることはほぼありません。
    ただし、尿検査を失念していたケースなどでは、あとから尿検査を行うことはあるかもしれません。
    その意味で、「妊娠反応検査」を未施行であれば、内診/経膣超音波までやったあとでも、追加でやる必要があります。

    国試では、検査の順番の問題がよく問われますが、
    ① 現場では同時並行的に行われることが多い
    ② 検査の性質として「時間がかかる」「準備が必要」なものがある
    というところは知っておく必要があります。
    (例えば、夜間救急の現場ですぐに「カテーテル検査」ができる施設は少ないわけです。人手が必要ですし、準備も必要ですね)

    蛇足ですが、女性の腹痛をみたとき、
    ・異所性妊娠
    ・卵巣嚢腫茎捻転
    ・卵巣出血
    このあたりは確実にルールアウトしておきたい疾患です。

    それぞれ、尿検査、経腹超音波検査で評価ができます。時間的にも非常に短時間ですね。
    ご参考まで。

  • 丁寧に教えてくださりありがとうございます。
    とても勉強になりました。

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  • 問題参照 109H26

    23歳の女性。0回経妊0回経産婦。腹痛を主訴に来院した。1週前から悪心を自覚していた。昨日の夜から右下腹部に痛みが出現し、一度嘔吐した。朝まで痛みが持続するため受診した。月経周期は30〜60日型、不整。持続は6日間。最終月経は50日前で、5日前から少量の性器出血が持続している。体温37.2℃。脈拍96/分、整。血圧100/68mmHg。内診で子宮は前傾前屈、やや腫大。右付属器領域に軽度の圧痛を認める。経腟超音波検査で子宮内膜の肥厚を認めるが、子宮内腔に胎嚢を認めない。両側付属器に異常を認めない。
    次に行う検査はどれか。
    • a 妊娠反応
    • b 腹部MRI
    • c 腹腔鏡検査
    • d 血液生化学検査
    • e 腹部エックス線撮影
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