解決済 112A17 05.感染症

胸部食道癌術後の感染症に対する抗菌薬について

112A17では、術後まずアンピシリンが選択されていますが、肺炎球菌だと確定もしていないのに術後感染症防止目的で使われているのはなぜでしょうか?
個人的には、食道癌術後なら嫌気性菌や緑膿菌、表在菌などを考慮してセフェム系やスルバシリンを使った方が良いと思うのですが…

それともVAPに対して予防的に行ったのでしょうか?
たしかVAPに対する抗菌薬の予防的投与は効果がないと記憶しています
予防的投与ではなくすでにVAPを起こした状態だったのを察してくれということなのでしょうか?

どなたか教えていただけるとうれしいです

回答2件

  • 少なくとも記載されている情報では判断できないと思いました。あまり理想的でない抗菌薬の投与であった可能性も、個人的には否定できないと思います。他の方のご意見も聞きたいです。

  • 問題文からは判断しかねますが、VAP予防目的でアンピシリンが開始されていたとすれば、たしかに質問者様のおっしゃる通り、抗菌薬の不適切使用といえます。
    これは、『ICU感染防止GL』にもVAPへの予防的抗菌薬の投与は耐性菌出現の点からも行わない方が良い、と明記されています。
    では、肝心のVAPの予防についてはICU施設ごとにVAP予防バンドルを作成していて、その内容が本問題の選択肢になっているのだとおもいます。(30°程度のギャッジアップ、気管チューブカフ圧の確認、手指衛生の徹底、人工呼吸器回路は頻繁に交換しない、などです)
    では、VAPが実際に起こってしまったときの抗菌薬の選択は、院内のアンチバイオグラムを参考にするのでしょうが、重症度・患者背景からカバーするべき微生物の見当をつけます。
    1)緑膿菌
    2)S.aureus(とくにMRSA)
    3)そのたGNR
    で大きく分かれ、多剤耐性菌出現リスク*の高い症例では、エンピリック治療では1,2ともにカバーする、と押さえてみてはいかがでしょうか。
    *多剤耐性菌出現リスク、は検索していただけるとすぐ出てきます。

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  • 問題参照 112A17

    62歳の男性。胸部食道癌の術後に人工呼吸から離脱できず、アンピシリンの投与を受けていた。術後3日目の朝、39.1℃の発熱と喀痰増加がみられ、胸部エックス線写真で右下肺野に新たな浸潤影を認めた。血液および喀痰培養を行い抗菌薬を変更したが、術後4日目になっても39℃を超える熱が持続している。培養検査の結果はまだ判明していない。

    この時点の対応として適切でないのはどれか。

    • a 上体を30度挙上する。
    • b ドレーン排液の性状を確認する。
    • c 気管チューブのカフ圧を確認する。
    • d 抗菌薬を再度変更する。
    • e 創部の状態を確認する。
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