自分も気になっていたので、少し調べた事をまとめてみます。
嵌頓ヘルニアについて
嵌頓ヘルニアの特徴は、ヘルニア門が狭い事による腸管の血流障害です。これによって嵌頓ヘルニアでは複雑性イレウスと同等の病態を呈します。
今回の問題では造影CTが画像として提示されていますが、
この造影CTにおいて血流障害を起こしている腸管壁の造影効果は不良となります(腸管が壊死することによって引き起こされる炎症に続発した浮腫やそもそも血流障害が起こっている事による、と考えられています)。
そこで本問に戻ると、病巣と考えられる腸管とそうでない(おそらく正常な)腸管の壁について評価すると、そうでない腸管壁と比べ病巣と考えられる腸管壁が少し明瞭でない事が分かります。
ここから腸管の血流障害を疑い、複雑性イレウスを伴う腸管の脱出像が造影CT上で確認される→嵌頓ヘルニアという診断になるのだと思います。
何か間違いや他の考え方(解き方)などありましたら、ご教唆頂けると幸いです…
フォーラムへの投稿も初めてですので、お作法等もご教授頂けると嬉しいです。
参考にした文献のリンクを貼っておきます。こちらも是非、一読して頂ければ…!
https://radiology.bayer.jp/static/pdf/publications/nichidoku_iho/2013_58_01/58_01_05.pdf
http://iwatect.sakura.ne.jp/20kai/ileus.pdf
97H33 にあるように腹壁瘢痕ヘルニアは嵌頓しにくいようですし、そもそもヘルニアは緊急性の差異は大きくあれど、どの種類であれいずれ 手術に至ることが多いため、あまり気にせずに手術を選択すればいいのではないでしょうか。
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腹部造影CTを別に示す。
対応として適切なのはどれか。