解決済 109D31 06.呼吸器

ステロイドに抗ショック作用?

本問題からはずれますが、QB のこの問題の解説に(選択肢 d )
「”ステロイド投与による抗ショック療法”よりも開胸による止血が優先される」とあります。

一般的にいって、ステロイドに抗ショック作用なんてありますか?

ショックにも、心原性、閉塞性、神経性、アレルギー性、敗血症などいろいろありますが、
ステロイドが適応になるショックはありますか?

回答5件

  • ショックに対してステロイドを使用するというのは敗血症性ショックであれば使用することもあります。
    他のショックに対しての使用は耳にしたことないですね。
    ただし、「初期輸液と循環作動薬に反応がない場合に低用量ステロイドを弱く推奨する」とガイドラインにもあるので、医師国家試験という学生のレベルではさほど重要ではない部分かもしれません。

    日本版敗血症ガイドライン2016 CQ8-1
    http://www.jaam.jp/html/info/2016/pdf/J-SSCG2016_ver2.pdf

  • 返信ありがとうございます。
    敗血症に、ステロイドは、よっぽどのエビデンスがない限り、国試には出ないでしょうね。
    (禁忌選択肢が怖くて、受験者側も選べません。)

    私の知る限り、アナフィラクシーにステロイドの適応がありますが、
    First Choice ではありませんし、3rd, 4th とかで重要度は高くありません。

    ショックの治療、ステロイドの適応は、頻出なので、確認できてよかったです。
    追い込み、がんばりましょう!

  • 国試レベルでは知らなくていいと思いますが、ステロイドはそもそもストレス条件下で分泌される性質があります。
    Trauma steroid などと検索すれば論争が色々見つかると思いますが、外傷患者に救急で使ったり使わなかったりするみたいです。興味深いですね。
    私も勉強になりました。国試頑張りましょう!!

  • 産科ショック(DICなど)で使用するときもあるみたいです
    (産科ショックの中にも、出血性ショックとか敗血症性ショックなど様々な病態があるとは思いますが)

  • 考えていたのですが、ポイントは Kentea さんの言うように、ストレスホルモンというところかもしれません。
    つまり、ショックという究極のストレス状態で、相対的にストレスホルモンが不足するのかなぁと。
    で、Empirical に、一般にショックに対してステロイドを投与している。(元のQBの記述)

    このステロイドがストレスホルモンで生存に必須というのは基本的で、国試的にもとても重要だと思います。
    たとえば、副腎クリーゼで人は死にます。Water Friderichsen syndrome がその典型です。
    また、SLEなどでステロイドを急に中止するのは禁忌肢なのも同じです。(外部ステロイドに頼り、副腎が委縮してステロイドが分泌されないため。)
    さらに、汎下垂体機能低下にも、ホルモンが出なくなるには、一般に順番があるとされています。TSHとACHが最後です。両方が、特にACTHが生存に必須で、Natural Selectionが働いたのでしょう(ACTHが最初に出なくなっちゃった人は死んじゃって子孫が残しにくくなる)。

    Sayaa さんのいう、産科ショックも理解できます。特に、出血ショック。
    妊娠中は、下垂体が肥大しており、相対的に虚血です。その中で、
    出血すれば、虚血が顕在化し、Sheehan syndrome です。
    そうなれば、ACTH↓→ステロイド↓。つまり、ステロイドが必要になります。

    まあ、Empirical なところは、国試には出ないでしょうが、
    研修を始めたら注意してみてみようと思います。

    おまけ:
    我々はショックもびっくりするくらいのストレス状態ですから(^o^)、
    ショックになっても、ステロイドは不足しないかもしれません。
    副腎鍛えてますから!ありがとう、国試。(T_T)

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  • 問題参照 109D31

    18歳の女性。胸痛と息苦しさとを主訴に搬入された。1時間前、咳をした後に右胸痛と呼吸困難とが出現し次第に増悪したため救急搬送された。身長162cm、体重48kg。体温36.5℃。心拍数108/分、整。血圧84/48mmHg。呼吸数18/分。SpO2 95%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下)。眼瞼結膜は貧血様である。心音に異常を認めない。呼吸音は右で減弱している。血液所見:赤血球290万、Hb 9.5g/dL、Ht 29%、白血球10,690、血小板19万。ポータブル胸部エックス線写真を別に示す。補液を開始し胸腔ドレナージを施行したところ、血性排液1,200mLがあり持続的に空気漏がみられた。ドレナージ2時間後、胸腔ドレナージ排液は血性で1時間200mLの排液と空気漏とは持続しており、SpO2 99%(マスク8L/分 酸素投与下)であった。この時点で末梢血液所見は赤血球245万、Hb 7.5g/dL、Ht 24%、白血球12,600、血小板18万であった。心拍数120/分、整。血圧70/40mmHgで赤血球輸液を開始した。
    この時点で行うべき対応はどれか。
    • a 経過観察する。
    • b 昇圧薬を投与する。
    • c 直ちに外科手術を行う。
    • d 副腎皮質ステロイドを投与する。
    • e 胸腔ドレーンを1本追加で挿入する。
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