本問題からはずれますが、QB のこの問題の解説に(選択肢 d )
「”ステロイド投与による抗ショック療法”よりも開胸による止血が優先される」とあります。
一般的にいって、ステロイドに抗ショック作用なんてありますか?
ショックにも、心原性、閉塞性、神経性、アレルギー性、敗血症などいろいろありますが、
ステロイドが適応になるショックはありますか?
ショックに対してステロイドを使用するというのは敗血症性ショックであれば使用することもあります。
他のショックに対しての使用は耳にしたことないですね。
ただし、「初期輸液と循環作動薬に反応がない場合に低用量ステロイドを弱く推奨する」とガイドラインにもあるので、医師国家試験という学生のレベルではさほど重要ではない部分かもしれません。
日本版敗血症ガイドライン2016 CQ8-1
http://www.jaam.jp/html/info/2016/pdf/J-SSCG2016_ver2.pdf
返信ありがとうございます。
敗血症に、ステロイドは、よっぽどのエビデンスがない限り、国試には出ないでしょうね。
(禁忌選択肢が怖くて、受験者側も選べません。)
私の知る限り、アナフィラクシーにステロイドの適応がありますが、
First Choice ではありませんし、3rd, 4th とかで重要度は高くありません。
ショックの治療、ステロイドの適応は、頻出なので、確認できてよかったです。
追い込み、がんばりましょう!
国試レベルでは知らなくていいと思いますが、ステロイドはそもそもストレス条件下で分泌される性質があります。
Trauma steroid などと検索すれば論争が色々見つかると思いますが、外傷患者に救急で使ったり使わなかったりするみたいです。興味深いですね。
私も勉強になりました。国試頑張りましょう!!
産科ショック(DICなど)で使用するときもあるみたいです
(産科ショックの中にも、出血性ショックとか敗血症性ショックなど様々な病態があるとは思いますが)
考えていたのですが、ポイントは Kentea さんの言うように、ストレスホルモンというところかもしれません。
つまり、ショックという究極のストレス状態で、相対的にストレスホルモンが不足するのかなぁと。
で、Empirical に、一般にショックに対してステロイドを投与している。(元のQBの記述)
このステロイドがストレスホルモンで生存に必須というのは基本的で、国試的にもとても重要だと思います。
たとえば、副腎クリーゼで人は死にます。Water Friderichsen syndrome がその典型です。
また、SLEなどでステロイドを急に中止するのは禁忌肢なのも同じです。(外部ステロイドに頼り、副腎が委縮してステロイドが分泌されないため。)
さらに、汎下垂体機能低下にも、ホルモンが出なくなるには、一般に順番があるとされています。TSHとACHが最後です。両方が、特にACTHが生存に必須で、Natural Selectionが働いたのでしょう(ACTHが最初に出なくなっちゃった人は死んじゃって子孫が残しにくくなる)。
Sayaa さんのいう、産科ショックも理解できます。特に、出血ショック。
妊娠中は、下垂体が肥大しており、相対的に虚血です。その中で、
出血すれば、虚血が顕在化し、Sheehan syndrome です。
そうなれば、ACTH↓→ステロイド↓。つまり、ステロイドが必要になります。
まあ、Empirical なところは、国試には出ないでしょうが、
研修を始めたら注意してみてみようと思います。
おまけ:
我々はショックもびっくりするくらいのストレス状態ですから(^o^)、
ショックになっても、ステロイドは不足しないかもしれません。
副腎鍛えてますから!ありがとう、国試。(T_T)
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