解決済 100A20 07.循環器

大動脈解離に対する血栓予防の治療

血栓の予防が必要だと判断して、a. ヘパリンを選んでしまいました。回答では血栓化は遅延するためヘパリンを用いないとあったのですが、なんの対応もせず放置していて問題ないのでしょうか。ふと、疑問に思いました。

回答2件

  • 画像からstanford B型であるのはわかります。
    この場合重要になるのは腹部大動脈から分岐している動脈への虚血による多臓器不全を防ぐことです。それにはまずこれ以上大動脈解離を進行させないことが重要になってきます。
    ここで実際行われるのは血圧の低下です。本来は手術ができれば良いですが、B型の手術は血管の分枝が多く困難を極めるからです。

    また血栓化の予防ということについてですが、血栓を予防するのは 動脈(上腸間膜動脈や脳動脈など)を閉塞させるor PTEや深部静脈血栓 を防ぐためです。今回は動脈の虚血を引き起こしていることを心配しているのでそこは考える必要はありません。また大動脈解離に合併するもの有名なのはDICですが、血小板の値からDICを生じているのは考えにくいです。

    以上から抗凝固薬について考える可能性は低いと考えられ、また収縮期血圧が160mmHgより降圧薬であるプロプラノロールを用いると考えられます。

    余談ですが、大動脈解離で血圧が上昇するのは痛みなどの刺激による交感神経亢進が主な原因であるそうです。

  • ご丁寧にありがとうございます。虚血と血栓化のどちらが重要視されているのかを考えなければならないのですね。

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