解決済 112D67 21.救急

胃内にあるボタン電池の誤飲への対応

小児のボタン電池誤飲で胃内にあるパターンの問題ですが、かなり微妙な問題と思います。
・日本中毒センター(http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70252_0101_2.pdf)によると、
4.医療機関での処置
 1)X 線による電池の位置の確認
 2)食道内にあれば、バルーンカテーテルや磁石つきカテーテル、内視鏡を用いて摘出を試みる
 3)胃内にあれば、磁石で摘出を試みてもよい
 4)胃内または腸管内にある場合は、通常の食事をとらせ、下剤を投与して自然排出を促す
  排出まで24 時間ごとにX 線検査と観便、全身状態と腹部症状をチェック
 5)強い腹痛や腹膜炎症状が発現すれば外科的処置
 6)1カ所に8 時間以上停滞した場合には、入院させて経過を観察し、外科的処置も考慮
とありました。
・食道内にある場合は摘出一択(110I44)、腸管内にある場合は経過観察一択ですが、胃内の場合は臨床現場でも対応が分かれていそうです(こちらのブログが参考になりますhttp://chisato.cocolog-nifty.com/ped/2010/11/post-d890.html)。

113回受験生としては、「胃内でも磁石あるいは内視鏡による摘出が1st」と覚えるしかないとは思いますが、みなさんどのようにお考えでしょうか。

回答2件

  • こちらの文献によると胃内でも摘出を試みるようですね。
    https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaem/35/4/35_377/_pdf

    日本中毒センターの文献は参考文献が古く、信用していいのか疑問です。ブログもアメリカの論文を引き合いに出しつつブロガー個人での対応の話で標準的な対応なのか不安に感じました。胃内では経過観察派と摘出する派でコンセンサスが取れていないようですが、国試的にはまずは摘出を試みて、無理なら下剤投与でf/uと自分は考えてます。

    • papiさん
      ありがとうございます。私もその後少し調べてみて、年齢やボタン電池の大きさで経過観察か摘出かを決める、という方針がありました(National Capital Poison Center Button Battery Ingestion Triage and Treatment Guideline https://www.poison.org/battery/guideline)が、本問でそれらの情報が与えられていないことを考えると、国試的には割り切って対応するのが良さそうですね。

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  • 問題参照 112D67

    4歳の女児。30分前にボタン電池を飲み込んだため父親に連れられて来院した。機嫌はよい。胸腹部エックス線写真で胃内にあることが確認された。

    対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

    • a 胃洗浄
    • b 開腹手術
    • c 経過観察
    • d 磁石による摘出
    • e 内視鏡による摘出
  • 関連トピック

    なし