118F74

以下の追加情報が得られた。
現病歴:数日前から歩行中に圧迫感をともなう胸痛があった。安静で改善するため様子をみていたが、本日就寝後に激しい胸痛が出現し持続しているため家族が救急車を要請した。
既往歴:糖尿病、脂質異常症、高血圧症で内服加療中である。
生活歴:喫煙は30本/日であったが、60歳から禁煙している。飲酒は機会飲酒。
家族歴:兄が狭心症で冠動脈バイパス術を受けている。
検査所見:血液所見:赤血球442万、Hb 13.0g/dL、Ht 41%、白血球12,000、血小板25万。血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL、アルブミン3.3g/dL、尿素窒素28mg/dL、クレアチニン1.5mg/dL、血糖198mg/dL、Na 137mEq/L、K 4.4mEq/L、Cl 97mEq/L、脳性ナトリウム利尿ペプチド〈BNP〉832pg/mL(基準18.4以下)。心筋トロポニンT迅速検査陽性。
引き続き心臓カテーテル検査が施行された。右冠動脈造影像(A)と左冠動脈造影像(B)を別に示す。
この患者の血行動態の変化で正しいのはどれか。
心拍出量:増加、肺動脈楔入圧:低下、中心静脈圧:低下、末梢血管抵抗:上昇
心拍出量:減少、肺動脈楔入圧:上昇、中心静脈圧:上昇、末梢血管抵抗:上昇
心拍出量:減少、肺動脈楔入圧:上昇、中心静脈圧:上昇、末梢血管抵抗:低下
心拍出量:減少、肺動脈楔入圧:低下、中心静脈圧:上昇、末梢血管抵抗:低下
心拍出量:減少、肺動脈楔入圧:低下、中心静脈圧:低下、末梢血管抵抗:上昇

解答: b

118F74の解説

【ポイント】
画像Aにて右冠動脈の狭窄が、画像Bにて左冠動脈主幹部の閉塞が、それぞれ指摘可能。心筋トロポニンT迅速検査が陽性であることなどと合わせ、やはりAMIの診断となる。心原性ショックの血行動態を選択肢から選ぼう。心臓のポンプ作用低下により心拍出量は減少し、拍出できない血液がうっ滞するため肺動脈楔入圧と中心静脈圧は上昇する。なかなかやってこない血液を少しでも効果的に重要臓器へまわそう、と末梢血管は収縮し、血管抵抗としては上昇する。

正答率:85%

テーマ:心原性ショックの血行動態

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