118F68

尿道カテーテルを留置し、血液培養2セットと尿培養を採取したのちに入院した。入院後からセフトリアキソンの投与を開始した。入院翌日に血液培養は2セットとも陽性になり、Escherichia coliと同定された。薬剤感受性試験の結果はアンピシリンがR(resistant〔耐性〕)、セファゾリンがS(susceptible〔感性〕)、メロペネムがSであった。尿培養からの検出菌および薬剤感受性試験の結果は血液培養と同じであった。現時点での血清クレアチニンは1.0mg/dLであり、体重は入院時から変化していない。セフトリアキソンの投与を中止し抗菌薬を変更することになった。
以下に腎機能に応じた抗菌薬推奨投与方法(当該医療機関で定めたもの)を示す。なお、クレアチニンクリアランス〈CrCl〉はCockcroft-Gaultの計算式を用い、男性の場合、{(140−年齢)×体重(kg)}/{72×血清クレアチニン値(mg/dL)}で算出するものとする。
・CrCl>50mL/min:アンピシリンは1回2gを6時間毎、セファゾリンは1回2gを8時間毎、メロペネムは1回1gを8時間毎
・CrCl 10〜50mL/min:アンピシリンは1回2gを8時間毎、セファゾリンは1回2gを12時間毎、メロペネムは1回1gを12時間毎
・CrCl<10mL/min:アンピシリンは1回2gを12時間毎、セファゾリンは1回1gを24時間毎、メロペネムは1回0.5gを24時間毎
セフトリアキソンからの抗菌薬変更に際し、最も適切な投与方法はどれか。
アンピシリン1回2gを6時間毎
アンピシリン1回2gを8時間毎
アンピシリン1回2gを12時間毎
セファゾリン1回2gを8時間毎
セファゾリン1回2gを12時間毎
セファゾリン1回1gを24時間毎
メロペネム1回1gを8時間毎
メロペネム1回1gを12時間毎
メロペネム1回0.5gを24時間毎

解答: d

118F68の解説

【ポイント】
薬剤感受性試験の結果から、セファゾリンないしメロペネムが有効と分かる。メロペネムは広域抗菌薬であるため、耐性菌出現の観点からセファゾリンが優先される。次に与えられたCockcroft-Gaultの計算式を用い、CrCl={(140−80)×72}/{72×1.0}=60mL/minと導ける(暗算で計算できる数値に親切設計されている;1問目に提示されたクレアチニン値は1.3だが、2問目で「現時点での血清クレアチニンは1.0mg/dL」とあるため、1.3を使わないように注意)。CrCl>50mL/minの記載を確認し「セファゾリン1回2gを8時間毎」が正解となる。

正答率:66%

テーマ:変更先の抗菌薬と投与方法

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