118F51

1歳6か月の女児。1歳6か月健康診査のために両親に連れられて来院した。在胎39週、出生体重3,245g、頭位自然分娩で出生した。身長80cm、体重10kg。走ることはできるが、①両足で跳ぶことはできない。手をひいて階段を昇るが、②階段を降りられない。鉛筆でなぐり書きをするが、③直線をまねしてひくことはできない。親指と人差し指で積み木をつまむことはできるが、④積み木を積むことはできない。「パパ」「ママ」と言い、犬の絵を見せて「わんわんどれ?」と聞くと指でさすが、⑤絵を見せて「これなに?」と聞いても言えない
下線部のうち、発達の遅れがみられるのはどれか。

解答: d

118F51の解説

【ポイント】
1歳6か月児の発達について確認する。

【選択肢考察】
a 両足で跳ぶことができるようになるのは、2歳ころ。
b 階段を降りることができるようになるのは、2歳ころ。
c 直線をまねしてひけるようになるのは、2歳半ころ(◯が3歳であるため、その少し前であると推測しよう)。
d 正しい。積み木を積むことができるようになるのは、1歳6か月ころ。1歳6か月で不可能な場合、発達の遅れを疑う。
e 対象による。例えば、犬の絵を見せて「ワンワン!」と言える1歳6か月児は一定数いる(日頃から練習させているか否か、も大きく関係してくる)。が、任意の絵を提示し、きちんとした日本語で正解を言えるようになるのは、もっと語彙力が増えてきたタイミングである。極端な話、大人であっても知らない絵を提示されたら何か答えられまい(そう考えると、成人でもできない可能性がある選択肢であり、正解にはなりえない)。いささか不親切な出題ではあるも、過去問の歴史をみるに「小児の成長と発達」は理不尽な出題が多い。100人子供がいたら100通りの成長があるわけで、どの親も自分の子供が遅れている、などとは思いたくない。そこにある意味強引にカットオフラインを引こうという試みであるわけで、当然といえば当然だろう。本問は「積み木を積めない」が明らかに正解であり、one bestが選びやすいという観点からはマイルドな出題に感じた。

正答率:65%

テーマ:1歳6か月児で発達の遅れがみられる項目

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