118F49

10か月の男児。体重増加不良を主訴に母親に連れられて来院した。在胎40週、出生体重2,980g。母乳栄養で1日8回哺乳している。生後6か月から離乳食を開始したが嫌がって食べようとしない。嘔吐と下痢はみられない。身長70cm、体重9,100g。体温36.8℃。脈拍120/分、整。呼吸数32/分。顔貌は正常。胸部に異常所見を認めない。腹部は平坦で、肝・脾は触知しない。患児の成長曲線を別に示す。
母親へ説明する対応方針で適切なのはどれか。
蜂蜜を与える。
母乳を中止する。
心配ないと伝える。
人工乳を追加する。
離乳食の前に母乳を与えないように指導する。

解答: e

118F49の解説

【ポイント】
乳児の体重増加不良。成長曲線をみるに、生後6か月ころから身長と体重の増加が鈍化している。とはいえ、10か月時点で身長は−1.0SD、体重は平均以上を保てており、重症疾患が背景にあるような状況とは考えにくい。折しも「生後6か月から離乳食を開始したが嫌がって食べようとしない」と本文中に記載があるため、離乳の遅れが原因と判断する。

【選択肢考察】
a 乳児ボツリヌス症の原因となるため、★禁忌★。
b いきなり中止するのではなく、少しずつ離乳食に変更していく。
c 離乳の遅れと、それによる身長と体重の増加不良があるため、何かしらの対応が必要な状況である。
d 母乳不足が原因ではないため、人工乳を追加する必要はない。
e 正しい。誰しも満腹時にご飯を食べる気は起こらない。「空腹に勝る調味料はない」などともよく言われる。離乳食を与える前にしっかりお腹をすかせるよう心がけるとよい。

正答率:65%

テーマ:体重増加不良の10か月児の母親へ説明する対応方針

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