80歳の女性。1か月前に自宅近くの病院で肺癌および多発骨転移と診断された。本人の強い希望で薬物による抗癌治療などの積極的な治療はせず、自宅にて訪問診療を受けている。トイレに行くことはできるが、日中も主にベッド上で過ごしている。65歳時に夫と死別してから独居である。息子はいるが遠方に住んでおり、ほとんど会うことはない。表情は硬く、自宅を訪問するスタッフとも会話をすることが少ないという。ある日、訪問診療に訪れた医師に、患者は「もう終わりにしたいです」と訴えた。
患者のこの言葉に対する医師の最初の返答で適切なのはどれか。
「緩和ケア病棟への入院を検討しましょう」
「すぐに安楽な死を迎えられる薬剤を準備します」
「身体の症状で、いま一番つらい症状を教えてください」
「おつらいですね、もう少しお気持ちをお話しいただけますか」
「そんなことをおっしゃらずに、もう少し頑張ってみましょう」