118E34

28歳の初妊婦(1妊0産)。妊娠18週に高血糖を指摘され来院した。妊娠16週時に尿糖陽性を指摘され、2週間後の随時血糖値が162mg/dLと高値を示したため紹介受診となった。既往歴に特記すべきことはない。身長158cm、体重57kg(非妊時体重54kg)。血圧124/62mmHg。下腿に浮腫を認めない。妊娠19週時に75g経口ブドウ糖負荷試験〈OGTT〉を施行し、負荷前値112mg/dL、1時間値218mg/dL、2時間値202mg/dLであった。超音波検査で子宮頸管長4.2cm、推定胎児体重は190g(0.0SD)、羊水量は正常であった。
適切な対応はどれか。
運動療法は勧めない。
経口血糖降下薬を開始する。
1日1,200kcalの食事療法を行う。
食後2時間の血糖値が150mg/dL未満を目標とする。
産褥6週間後に再度75g経口ブドウ糖負荷試験を行う。

解答: e

118E34の解説

【ポイント】
既往歴に特記すべきことがなく、75gOGTT負荷前値112mg/dL(>92)、1時間値218mg/dL(>180)、2時間値202mg/dL(>153)であることから妊娠糖尿病〈GDM〉の診断となる。

【選択肢考察】
a 運動療法は推奨される。
b 妊婦に経口血糖降下薬は★禁忌★。
c 非妊時の体重が54kg(BMI≒21.6)と肥満がないことから、妊娠18週(中期に分類される)には200kcal(糖尿病学会ガイドライン)ないし250kcal(産科学会ガイドライン)の付加量が必要となる。ゆえに目標となるエネルギー量は「(標準体重)×30+200〜250」で算出される。計算すると、1.58×1.58×22×30+200〜250=1,847〜1,897kcal/日となる。ゆえに1,200kcalは少なすぎる。
d 食後2時間の血糖値が120mg/dL未満を目標とする。
e 正しい。GDMと診断された女性は将来、糖尿病発症率が高い。ゆえに分娩後6〜12週での75gOGTTによる評価が有用。

正答率:64%

テーマ:妊娠糖尿病〈GDM〉への対応

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