118E33

78歳の男性。下腹部痛と排尿ができないことを主訴に来院した。3か月前から頻尿がある。一昨日の夕食後から感冒症状があり市販の総合感冒薬を内服している。昨日の昼から尿が出ず、下腹部痛が出現したため受診した。身長165cm、体重60kg。体温36.6℃。脈拍84/分、整。血圧154/88mmHg。下腹部に弾性軟の腫瘤を触知し、同部に圧痛あり。直腸診で径5cm、弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。
まず行うべき画像検査で適切なのはどれか。
骨盤部MRI
腹部造影CT
腹部超音波検査
腹部エックス線撮影
下部消化管内視鏡検査

解答: c

118E33の解説

【ポイント】
高齢男性の下腹部痛と排尿困難。下腹部に触知している弾性軟の腫瘤は膀胱であろう。尿閉により尿が蓄積されているため、圧痛をみる。径5cm・弾性硬の前立腺を触知していることから、前立腺肥大症〈BPH〉と考えられる。「市販の総合感冒薬を内服している」とあるため、これによりBPHが増悪し、排尿困難に至ったものと思われる。

【選択肢考察】
a 確かに前立腺は同定できるが、時間やコストがかかるため、まず行うべき検査とは言えない。
b 確かに前立腺は同定できるが、まず行うべき検査ではない。また、尿閉のある高齢者であり、腎機能が低下している可能性もある。造影検査は難しいかもしれない。
c 正しい。腹部超音波検査により、尿閉の状況を確認する。
d 腸閉塞や尿路結石の確認に有効。
e 下部消化管のトラブルではないため、無効。

正答率:100%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉にまず行うべき画像検査

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