118E32

34歳の女性。発熱と皮疹を主訴に来院した。昨日から咽頭痛があったが、日常生活は普通に送っていた。本日からガタガタ震える悪寒を伴う39.6℃の発熱、頭痛、悪心および関節痛を認める。生来健康である。意識は清明。身長165cm、体重60kg。体温39.8℃。脈拍120/分、整。血圧90/58mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96%(room air)。瞳孔は左右差なく、対光反射は正常。眼球結膜に点状出血と黄染とを認める。口腔内はやや乾燥している。咽頭は発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。項部硬直を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、腸雑音を聴取する。肝・脾を触知しない。両上肢手掌と下肢足底とにびまん性の出血斑を認める。入院時の血液培養からグラム陰性球菌を認めた。
最も可能性の高い原因微生物はどれか。
Escherichia coli
Group A Streptococcus
Moraxella catarrhalis
Neisseria gonorrhoeae
Neisseria meningitidis

解答: e

118E32の解説

【ポイント】
「発熱、頭痛、悪心および関節痛」という感冒症状に加え、項部硬直がみられている。髄膜炎を疑おう。血液培養からグラム陰性球菌が検出されており、髄膜炎菌が原因として考えやすい。侵襲性髄膜炎菌感染症では点状出血や出血斑を認めることがある。

【選択肢考察】
a 大腸菌はグラム陰性桿菌。
b A群溶連菌はグラム陽性球菌。
c モラクセラはたしかにグラム陰性球菌であるが、髄膜炎の原因として頻度が低い。
d 淋菌はたしかにグラム陰性球菌であるが、髄膜炎の原因として頻度が低い。
e 正しい。髄膜炎菌が原因として考えやすい。

正答率:78%

テーマ:髄膜炎の起炎菌

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