118E30

研修医が担当した肺炎の入院患者に対して、指導医と相談し抗菌薬で治療することになった。薬剤師がこの患者に同系統の抗菌薬でアレルギー歴があることを確認し、研修医に連絡した。研修医から「指導医と決めたことなので問題ない」と返答があったため、そのまま投与された。病棟でこの薬剤を投与中に蕁麻疹が出現した。すぐに薬剤を中止したところ、蕁麻疹は消退した。
この事例の適切な対応はどれか。
医療安全管理部門にインシデントレポートを提出する。
医療事故調査委員会に調査を依頼する。
当該の抗菌薬の製薬会社に報告する。
どこにも報告する必要はない。
保健所に届け出る。

解答: a

118E30の解説

【ポイント】
研修医からすれば「指導医に言われた通りのことをやったから自分の責任ではない」、指導医からすれば「他のことで忙しいから細かいことは研修医自身の責任で判断してほしい」、薬剤師からすれば「ドクターにOKをもらったから自分の責任ではない」といったところだろうか。結局のところ、こうした責任のなすり付け合いのしわ寄せを受けるのは患者である。幸い死亡事故のような重篤な事態にはならなかったものの、インシデントとしてレポートを作成・報告し、再発防止に努めたい。

【選択肢考察】
a 正しい。提出先(医療安全管理部門)もしっかり覚えておくこと。
b 医療事故調査制度(対象は死亡または死産)についての記載。
c 製薬会社も予期しなかった副作用ならまだしも、今回のエピソードでは製薬会社は関係ない。
d 報告の上、再発防止に努めたい。
e 医療安全管理部門にインシデントレポートを届け出る。

正答率:80%

テーマ:薬剤の副作用が発生した後の適切な対応

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