118D70

35歳の男性。体重減少を主訴に来院した。昨年の健康診断で異常を指摘されなかった。10日前に発熱と咽頭痛があった。その後、のどの渇きが出現し排尿回数が増えた。悪心を自覚し食事量が低下した。最近1週間で体重が5kg減っている。意識は清明。身長173cm、体重61kg。体温36.8℃。脈拍96/分、整。血圧108/80mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。
まず確認すべき尿検査項目はどれか。2つ選べ
潜血
蛋白
ケトン体
ウロビリノーゲン

解答: a,d

118D70の解説

【ポイント】
10日前の感冒を契機に口渇、頻尿、悪心、食事摂取低下、体重減少がみられている。昨年の健康診断では異常を指摘されておらず、急激に進行する病態を考えよう。劇症1型糖尿病である。

【選択肢考察】
a 正しい。尿糖が強陽性になっている可能性が高い。
b 糸球体腎炎などで陽性となる。
c ネフローゼ症候群などで陽性となる。むろん糖尿病もネフローゼ症候群をきたしうるが、短期間には完成しない。
d 正しい。糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉を呈している可能性が高い。
e 溶血性貧血などで上昇、閉塞性黄疸などで低下する。

正答率:87%

テーマ:劇症1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉)疑いの患者でまず確認すべき尿検査項目

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