118D61

35歳の男性。咽頭痛と発熱を主訴に来院した。3日前から咽頭痛と38℃台の発熱があった。徐々に痛みが増悪し、今朝から口が開けにくくなり飲み込みにくくなったため救急外来を受診した。意識は清明。体温38.5℃。脈拍92/分、整。血圧124/80mmHg。SpO2 98%(room air)。頸部に喘鳴を聴取しない。咽頭の写真を別に示す。
診断はどれか。
中咽頭癌
扁桃肥大症
急性喉頭蓋炎
扁桃周囲膿瘍
伝染性単核球症

解答: d

118D61の解説

【ポイント】
開口障害と嚥下障害を呈する、咽頭痛と発熱。画像では左軟口蓋が腫脹し、口蓋垂が右へ偏位している。「開口障害」と「口蓋垂の健側偏位」の2条件が揃っており、扁桃周囲膿瘍と判断する。

【選択肢考察】
a 癌単独でここまで感染症状が急速に強くなるのは稀。
b 文字通り「肥大」にとどまり、感染症状は伴わない。
c 強い咽頭痛を呈することはあるも、開口障害はみない。
d 正しい。上記の通り。
e たしかに若年者の咽頭痛と発熱の原因にはなるも、106A45 で提示された画像のように扁桃部に白苔付着することが多い。また、頸部リンパ節腫脹や肝脾腫といった情報も記載がなく、積極的に選ぶ選択肢とは言えない。

正答率:97%

テーマ:扁桃周囲膿瘍の診断

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