118D57

67歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。1週間前から頭痛と悪心を自覚した。昨晩に両下肢の脱力が出現し体動困難となった。本日朝から意識状態が悪化したため家族が救急車を要請した。約1か月半前に転倒して頭部を打撲した。来院時の意識レベルはJCS II-20。体温36.3℃。心拍数64/分、整。血圧134/88mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98%(room air)。瞳孔は両側2.5mm大で左右差は認めなかった。四肢の動きに左右差は認めないが、起立は困難であった。血液生化学所見:血糖116mg/dL。約1か月半前の頭部打撲時の頭部単純CT水平断像(A)と来院時の頭部単純CT水平断像(B)を別に示す。
この患者に行うべき対応はどれか。
経過観察
減圧開頭術
ステント留置術
脳室ドレナージ術
穿頭血腫ドレナージ術

解答: e

118D57の解説

【ポイント】
高齢男性の意識障害。「約1か月半前に転倒して頭部を打撲した」とのことで、これが原因で頭蓋内に何かしらの変化が起こっているのだろう。画像Aでは向かって左側の画像の向かって左側に局所性のくも膜下出血〈SAH〉を、Bでは2枚ともに硬膜下血腫(三日月型の高吸収域)を、それぞれ指摘可能。現在の意識障害の原因は慢性硬膜下血腫であると判断する。

【選択肢考察】
a 経過観察では病態が進行してしまい、危険である。
b 急性硬膜外血腫や急性硬膜下血腫に対する治療である。
c 狭窄した動脈等を拡張させる際に行われる治療である。
d 水頭症に対する治療である。
e 正しい。慢性硬膜下血腫の治療である。

正答率:92%

テーマ:慢性硬膜下血腫に行うべき対応

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