118D52

19歳の男性。白血球増多の精査を目的に来院した。1週間前に発熱と咽頭痛が出現し自宅近くの診療所を受診した際、白血球増多を指摘されたため紹介受診した。体温37.8℃。脈拍92/分、整。血圧118/76mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。両側扁桃の発赤と腫大があり、表面に白苔を認める。両側頸部に径2cmの圧痛を伴うリンパ節を複数触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肋骨弓下に肝を2cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球493万、Hb 14.3g/dL、Ht 44%、白血球26,000(桿状核好中球1%、分葉核好中球7%、好酸球0%、好塩基球0%、単球2%、リンパ球75%、異型リンパ球15%)、血小板18万。血液生化学所見:総ビリルビン1.3mg/dL、直接ビリルビン0.7mg/dL、AST 202U/L、ALT 268U/L、LD 637U/L(基準124〜222)、ALP 306U/L(基準38〜113)、クレアチニン0.9mg/dL、尿酸7.1mg/dL。CRP 0.9mg/dL。
この患者への対応で適切なのはどれか。
経過観察
血漿交換
アシクロビル投与
アンピシリン投与
殺細胞性抗癌薬投与

解答: a

118D52の解説

【ポイント】
若年男性の白血球増多。誘導のとおり白血球に目を移すと「異型リンパ球15%」というキーワードが見つかるはず。両側扁桃の発赤・腫大・白苔付着、圧痛を伴う両側頸部リンパ節触知、肝腫大、ASTとALTの上昇、といった記載と合わせ、伝染性単核球症〈IM〉の診断となる。

【選択肢考察】
a 正しい。IMに対しては原則、経過観察を行う。
b IMに血漿交換の適応はない。
c 単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスに対する治療。
d IMに対するアンピシリン投与は皮疹を発生ないし増悪させるため 、★禁忌★。
e 悪性腫瘍などに対する治療。

正答率:90%

テーマ:伝染性単核球症〈IM〉への対応

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