118D48

3歳の女児。3歳児健康診査で初めて心雑音を指摘され、両親に連れられて来院した。保育園での生活に支障はないという。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。心音はII音の固定性分裂を認める。胸骨左縁第2肋間を最強点とするLevine 2/6の収縮期雑音と胸骨左縁下部を中心にLevine 2/6の拡張期雑音とを聴取する。腹部は平坦、軟で、肝を触知しない。心エコー検査では直径12mm程度の心房中隔欠損症を認め、右心房と右心室の拡大を伴う。肺高血圧症を示唆する所見はない。
心房中隔欠損症に関する両親への説明で適切なのはどれか。
「遺伝性の発症が多い疾患です」
「保育園での運動は控えましょう」
「小児期に不整脈を生じることが多いです」
「心臓の負担をとるために塩分制限が必要です」
「適切なタイミングで欠損孔の閉鎖治療が必要か考えます」

解答: e

118D48の解説

【ポイント】
心房中隔欠損症〈ASD〉の診断はすでについている。

【選択肢考察】
a ASDは孤発例(遺伝性に発生するものではない例)が多い。
b 「保育園での生活に支障はない」とのことで現時点では運動制限する必要はない。
c ASD患者において不整脈を生じることが多いのは成人期以降。小児期には稀。
d 現時点では心不全症状を認めていないため、食事制限は不要。
e 正しい。3歳の現時点では手術等に耐えられない可能性があるため、待機が必要となる。1つの目安は小学校入学のタイミングだ。

正答率:96%

テーマ:心房中隔欠損症〈ASD〉に関する両親への説明

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