118D44

82歳の女性。物忘れを心配した息子に伴われて来院した。5年前から何度も同じことを尋ねるようになった。1年前から道に迷うようになり買い物と料理が1人でできなくなった。鏡に映った自分の姿に怒る様子がみられた。診察時、不安そうに何度も息子の方を振り返り日付を質問すると間違えた。改訂長谷川式簡易認知機能評価スケールは11点(30点満点)である。神経診察で異常を認めない。血液生化学検査と脳波検査に異常を認めない。頭部単純MRIのFLAIR水平断像(A)とT1強調冠状断像(B)を別に示す。
この患者に投与する薬剤はどれか。
ジアゼパム
ドネペジル
パロキセチン
ハロペリドール
レボドパ〈L-dopa〉

解答: b

118D44の解説

【ポイント】
高齢女性の物忘れ。頭部単純MRIではA, Bともに海馬の萎縮と側脳室の拡大がみられる。Alzheimer型認知症が考えやすい。

【選択肢考察】
a けいれん重積などに有効。
b 正しい。Alzheimer型認知症に対する代表的治療薬である。
c 選択的セロトニン再取り込み阻害薬〈SSRI〉(抗うつ薬)である。
d 統合失調症などに有効。
e Parkinson病などに有効。

正答率:97%

テーマ:Alzheimer型認知症の治療薬

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし