118D43

32歳の初産婦(1妊0産)。妊娠32週、水様帯下を自覚し来院した。これまで妊婦健康診査で異常を指摘されていない。体温36.9℃。脈拍80/分、整。血圧110/80mmHg。内診所見は子宮口開大度1.5cm、展退度30%、先進部は児頭であった。腟鏡診で羊水の流出を認める。胎児心拍数陣痛図を別に示す。
適切な対応はどれか。
頸管縫縮術
緊急帝王切開
オキシトシン投与
ベタメタゾン投与
塩酸リトドリン投与

解答: d

118D43の解説

【ポイント】
妊娠32週の水様帯下。「腟鏡診で羊水の流出を認める」とのことで、分娩開始前の破水、すなわち前期破水である。胎児心拍数陣痛図では一過性頻脈がみられており、良好な所見。

【選択肢考察】
a 頸管無力症の治療。
b 一過性頻脈がみられているため、急ぎ帝王切開が必要な状況ではない。
c 未だ妊娠32週であるため、オキシトシンで子宮収縮を促進して分娩を誘発すべきタイミングではない。
d 正しい。妊娠34週未満の胎児は肺成熟が未熟であるため、ベタメタゾン(副腎皮質ステロイド)を投与し、肺成熟を促す。その後、状況を観察しつつ、可能であれば早期分娩となる。
e 胎児心拍数陣痛図にて子宮収縮はみられていない。ゆえに子宮収縮抑制薬を投与する必要はない。

正答率:35%

テーマ:妊娠32週における前期破水への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし