118D33

23歳の男性。職場に行けないことを主訴に来院した。2か月前に商品発注のミスで取引先の会社から苦情を受け上司からも強く叱責された。その後、気分が晴れず、仕事に前向きになれない。夜は仕事のことが頭から離れず寝つきが悪くなったが、休日には趣味のサークル活動を以前と変わらず楽しめていた。1週間前から、朝会社に行こうとすると動悸がするようになり休んでいる。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。受診後、自宅療養することとなり動悸は軽快した。また、会社から上司が叱責したことへの謝罪を受け、取引先を変更してもらったところ、3か月後から復職が可能となった。
診断はどれか。
うつ病
社交不安障害
概日リズム障害
適応障害〈適応反応症〉
心的外傷後ストレス障害

解答: d

118D33の解説

【ポイント】
2か月前のイベントを契機としてメンタルトラブルが発生している。その後謝罪を受け、取引先を変更してもらったところ、3か月後から復職が可能となっている。「明確なストレスを原因とし、3か月以内に情動・行動面の障害が出現し、障害は6か月以上続くことはない」という定義を満たすため、適応障害の診断となる。

【選択肢考察】
a 「休日には趣味のサークル活動を以前と変わらず楽しめていた」(興味や喜びは消失していない)とのことでうつ病は否定的。
b 「他人の前で話をするのがストレス」のような記載があるわけでもなく、社交不安障害は考えにくい。
c 「遅い時間まで起きていられない」や「早い時間に起きることができない」といった訴えがあるわけでもなく、概日リズム障害は考えにくい。
d 正しい。上記の通り。
e 生死に直結するようなエピソードを体験しているわけでもなく、心的外傷後ストレス障害〈PTSD〉は考えにくい。

正答率:93%

テーマ:適応障害〈適応反応症〉の診断

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