118D27

65歳の女性。頸部腫瘤を主訴に来院した。8か月前から頸部腫瘤を自覚していたが、痛みがないためそのままにしていた。頸部腫瘤の大きさに変化はないが、家族が心配したため受診した。発熱、寝汗および体重減少はない。胸部と腹部に異常所見を認めない。両側頸部と両側鼠径部に径2〜3cmで可動性良好な弾性硬のリンパ節を複数触知し、圧痛は認めない。血液所見:赤血球415万、Hb 12.5g/dL、Ht 40%、白血球5,600、血小板28万。血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.2g/dL、LD 200U/L(基準124〜222)。免疫血清学所見:CRP 0.2mg/dL、HTLV-1抗体陰性。末梢血塗抹標本で異常細胞を認めない。骨髄生検で異常細胞を認めない。頸部~骨盤部造影CTで両側頸部、両側鼠径部および腹部大動脈周囲に径3cmのリンパ節腫大を認める。右頸部リンパ節生検組織H-E染色標本(A)とCD20免疫組織化学染色標本(B)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
濾胞性リンパ腫
Burkittリンパ腫
末梢性T細胞リンパ腫
成人T細胞白血病・リンパ腫
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

解答: a

118D27の解説

【ポイント】
頸部腫瘤の精査。可動性良好かつ弾性硬で圧痛のないリンパ節を触知していることから、悪性リンパ腫を考えたい。画像Aでは濾胞構造が、画像BではCD20陽性であることが、それぞれ読み取れる。濾胞性リンパ腫の診断。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b 急速進行することが知られている。8か月にも及ぶ緩徐な進行が説明つかない。
c CD20陰性のはずである。
d 「HTLV-1抗体陰性」という記載から、否定的。
e 急速進行することが知られている。8か月にも及ぶ緩徐な進行が説明つかない。また文字通り「びまん性」の広がりをみるため、濾胞構造はとらない。

正答率:81%

テーマ:濾胞性リンパ腫の診断

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