118D26

72歳の男性。下腹部痛と血尿を主訴に来院した。1か月前から血尿が出現した。昨日から下腹部痛を自覚したため受診した。身長162cm、体重58kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧148/90mmHg。呼吸数16/分。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸指診で5cm大、弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。尿所見:蛋白(±)、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球100以上/HPF、白血球100以上/HPFを認める。腹部エックス線写真(A)と膀胱鏡像(B)を別に示す。尿培養を提出し、抗菌薬の投与を開始した。
次に行う治療で最も適切なのはどれか。
結石溶解療法
膀胱全摘除術
膀胱瘻造設術
経尿道的膀胱砕石術
体外衝撃波結石破砕術

解答: d

118D26の解説

【ポイント】
高齢男性の下腹部痛と血尿(尿潜血3+かつ沈渣に赤血球100以上/HPF)。白血球100以上/HPF(膿尿)も認めている。腹部エックス線写真(A)では膀胱部に石灰化陰影がみられ、これは膀胱鏡像(B)にて膀胱結石と確定される。

【選択肢考察】
a 結石溶解療法が適応となる尿酸結石とシスチン結石はともにエックス線透過性が高いため、画像Aにて写らないはず。
b 悪性腫瘍ではないため、膀胱全摘除術はやりすぎだ。
c 尿道カテーテルによる導尿が困難な尿閉の存在下などに有効。
d 正しい。経尿道的膀胱砕石術により、結石を体外へ排泄させる。
e 体外衝撃波結石破砕術は膀胱結石に使えない(上部尿路の結石に有効)。

正答率:82%

テーマ:膀胱結石の治療

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