118D17

83歳の女性。食事中のつかえ感を主訴に来院した。2年前に胸やけがあり、上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎と診断され、酸分泌抑制薬を処方された。1年前から食事中のつかえ感を自覚し、その後も症状が持続したため受診した。喫煙歴と飲酒歴はない。身長156cm、体重60kg。体温36.8℃。脈拍60/分、整。血圧140/88mmHg。呼吸数18/分。SpO2 94%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は左下前胸部で減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。胸腹部単純CTの水平断像(A)と冠状断像(B)を別に示す。
診断はどれか。
食道癌
食道憩室
中縦隔腫瘍
食道アカラシア
食道裂孔へルニア

解答: e

118D17の解説

【ポイント】
「逆流性食道炎」と「食事中のつかえ感」と「左下前胸部での呼吸音減弱」。この3つを同時に説明するためには画像を読む必要がある。A, Bともに胃が横隔膜上に脱出している様子が指摘可能。食道裂孔ヘルニアの診断だ。食道裂孔ヘルニアでは胃液の逆流がみられやすくなり(逆流性食道炎)、噴門の位置異常がみられるため食事中のつかえ感が出現し、さらには脱出した胃で肺が圧排されて呼吸音減弱につながる。

【選択肢考察】
a 癌は指摘できない。
b 憩室は指摘できない。
c 腫瘍は指摘できない。
d 食道アカラシアでは食道の拡張と狭窄をみる。
e 正しい。上記の通り。

正答率:49%

テーマ:食道裂孔ヘルニアの診断

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