118D16

60歳の男性。頭痛を主訴に来院した。以前から緊張型頭痛で定期的に鎮痛薬を頓服していた。4日前に頭痛と悪心が突然出現した。痛みは頭全体で後頭部から頸部にかけて強い。鎮痛薬を数回内服したが改善しないため受診した。健診で高血圧の指摘を受けていたがそのままにしていた。喫煙歴は10本程度/日を40年間、飲酒は焼酎1合程度/日。意識は清明。身長165cm、体重70kg。体温36.8℃。脈拍84分、整。血圧184/96mmHg。呼吸数16/分。SpO2 97%(room air)。頭部単純CTの水平断像を別に示す。
静脈路確保後に静注すべき薬剤で適切なのはどれか。
ヘパリン
アトロピン
プレドニゾロン
カルシウム拮抗薬
グルコン酸カルシウム

解答: d

118D16の解説

【ポイント】
4日前に突然出現した頭痛と悪心。頭部単純CTにて左Sylvius裂に高吸収域を認め、くも膜下出血〈SAH〉の診断となる。

【選択肢考察】
a 出血を助長しかねないため、★禁忌★。
b 徐脈性疾患などに有効。
c SAHに対しては一般に用いられない。
d 正しい。血圧184/96mmHgと血圧高値であるため、出血しやすい状況となっている。まず降圧薬を投与する必要がある。
e 低カルシウム血症に対してカルシウムを補うため、または高カリウム血症時の心筋保護のために用いられる。

正答率:98%

テーマ:くも膜下出血〈SAH〉に対し静脈路確保後に静注すべき薬剤

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