118C67

その後、頭頸部単純CTでは異常を認めなかった。胸腹部造影CTでは脾臓損傷、脾臓内および周囲の造影剤血管外漏出像、腹腔内遊離ガス及び腹腔内液体貯留を認めた。気管挿管を行い、緊急手術を予定した。
術前の対応で誤っているのはどれか。
低体温にする。
輸血を準備する。
抗菌薬を投与する。
血液凝固検査を行う。
動脈血ガス分析を行う。

解答: a

118C67の解説

【ポイント】
緊急手術前の対応についての一般知識が問われている。

【選択肢考察】
a 誤り。心停止後の蘇生患者等に対し、体温管理療法(低体温)が行われることはあるも、今回は異なる事例である。そもそも大量出血により、この患者の体温は低くなりやすい。術中の低体温は出血傾向や不整脈といった有害事象を誘発しやすい。そのため、保温に努めるのが正しい。
b 大量出血に対し、輸血が必要となる。
c 腹腔内遊離ガスがみられており、腸管破裂しているものと思われる。これに対し、抗菌薬投与が有効。また、一般的に開腹術前には予防的抗菌薬投与が行われる。
d 抗血小板薬服用中のこともあり、開腹手術によっても大量出血する可能性が否めない。事前に血液凝固検査を行い、対策を立てたい。
e 動脈血ガス分析により、酸塩基平衡や酸素状態などを確認できる。

正答率:95%

テーマ:脾損傷に対する緊急手術前の対応

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