118C61

縦隔リンパ節の局所再発に対して化学放射線療法を施行した。その後、薬剤性肺障害による呼吸不全をきたし、気管挿管による人工呼吸療法となった。薬剤性肺障害に対して治療を継続したが、呼吸状態の改善がみられない。14日経過後も長期間の人工呼吸療法が必要な状態である。
この時点での呼吸管理で適切な処置はどれか。
気管切開術
ECMO導入
声門上器具挿入
経鼻エアウェイ挿入
非侵襲的陽圧換気〈NPPV〉導入

解答: a

118C61の解説

【ポイント】
長期間の人工呼吸療法を気管挿管にて行うのは厳しい。その場合、気管切開を行い、気管カニューレで管理する。

【選択肢考察】
a 正しい。上記の通り。
b ECMOは人工呼吸器での生命維持が困難な、致死率が高いと予想される危険な状況で用いる。本問では「人工呼吸療法が必要」と書いてあり、「人工呼吸器では不十分」とは書いていない。あくまで気管挿管が長期化するため、人工呼吸器の接続方法を変更しよう、という話をしているためECMO導入はやり過ぎである。
c ラリンジアルマスクなどがよい例。救急外来などで用いられることはあるが、人工呼吸器管理が長期化する例で新規に導入することはない。
d 救急外来などで用いられることはあるが、人工呼吸器管理が長期化する例で新規に導入することはない。
e 117F64(COPD急性増悪)のような、自発呼吸の存在する例で有効。本症例ではすでに気管挿管下にて人工呼吸療法を行っており、それでも「呼吸状態の改善がみられない」とのこと。NPPVを導入するタイミングとは思えない。

正答率:71%

テーマ:長期間の人工呼吸療法が必要な患者に適切な処置

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